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小話です
小話です
大事なことなので三回言います
小話です
**********
「ミクねえミクねえ」
「ん? どうしたの?」
「マスター達が女子組は休憩して良いってー。今ルカちゃんがお茶入れてるから、休憩しよー」
「あ、そうなの。わかった」
はにーたいむ
緑の髪をふわりと翻らせた姉は、主人の居る部屋の扉をチラと振り返ってから「確かマスタが要らないって言ってたクッキー、缶であるからとってくるね」と台所の方へ行ってしまう。「一度鏡音の調整をしてみたかったんだ」とレンを構いだした主人のことが気になるのだろう、と垣間見えた姉の隙をうかがってリンは微笑んだ。いつでもどことなく醒めた"初音ミク"らしくない姉は、けれどもきちんと"恋するおとめ"だ。
その背中に「リビングにいるからねー」と呼びかけ、リンはくるりと方向転換した。
世では初音ミクの発売記念日が迫っている。
ミクを溺愛する彼女のマスターが『祝いの曲を作った。合唱するぞ』と言い出したのは先週のことだった。
そうしてそれが鶴の一声となり、『ミク誕生祝い合唱企画』は立ち上がった。すでに楽曲ができているとは言え、余りに誕生日に向かないその曲を編曲することから始まったその企画は、中々に切迫したスケジュールになっている、らしい。
そして、今日。
第二回集合調整と銘打たれ、一応コミュニティメンバーの全員が、ミクのマスターの所有するマンションに集まったのだった。
そんでもって
「めーねぇ、クッキーもくるってさー」
「あら、やったじゃないの」
「クッキー!」
豪奢なソファでくつろいでいたメイコとグミが歓声を上げる。
コミュニティの中でも比較的起動されて間もないグミは、どうやらこのミクのマスター宅に訪れるのは初めてだったらしい。クッションを抱き、落ち着きなく辺りを見回している。
「こらグミ、あんたちょっと落ち着きなさい」
「えーっ! だってこんな良いおうちにミクちゃん住んでるなんて聞いてない!」
「そりゃ言いふらすようなことでもないでしょうよ」
広い綺麗景色すごい! と騒ぎ立てるグミをたしなめ、メイコはリンに向かって「座りなさいな」と自分の横の席をたたく。それじゃ遠慮なくおじゃまを、と座ると、ちょうどお茶を携えたルカとクッキー缶を抱いたミクが部屋にはいってきた。
甘い香りが部屋に広がる。
「砂糖はこっちですので」
「はいご開帳ー」
「うわっここのクッキー食べてみたかったんだよね! ミクちゃんこれ食べていいの?」
「ある分なら幾らでも。あ、でもこのアーモンドが載ったのは残しといて。マスタが食べるから」
「いえっさー!」
「ルカ、ミルクってある?」
「あぁ、こっちです。グミちゃん、ちゃんと私たちの分も考えて食べて下さいね」
「わかってるよう!」
「あ、レンたちの分どうする? 残しとく?」
「いいわよ、食っちゃえ食っちゃえ」
「めーねぇ、あくどい……!」
**********
ガールズトークって、かわいいよね!
お菓子もりもり食べる女子ボカロたちを妄想したくて書いた。後悔はしていない
小話です
大事なことなので三回言います
小話です
**********
「ミクねえミクねえ」
「ん? どうしたの?」
「マスター達が女子組は休憩して良いってー。今ルカちゃんがお茶入れてるから、休憩しよー」
「あ、そうなの。わかった」
はにーたいむ
緑の髪をふわりと翻らせた姉は、主人の居る部屋の扉をチラと振り返ってから「確かマスタが要らないって言ってたクッキー、缶であるからとってくるね」と台所の方へ行ってしまう。「一度鏡音の調整をしてみたかったんだ」とレンを構いだした主人のことが気になるのだろう、と垣間見えた姉の隙をうかがってリンは微笑んだ。いつでもどことなく醒めた"初音ミク"らしくない姉は、けれどもきちんと"恋するおとめ"だ。
その背中に「リビングにいるからねー」と呼びかけ、リンはくるりと方向転換した。
世では初音ミクの発売記念日が迫っている。
ミクを溺愛する彼女のマスターが『祝いの曲を作った。合唱するぞ』と言い出したのは先週のことだった。
そうしてそれが鶴の一声となり、『ミク誕生祝い合唱企画』は立ち上がった。すでに楽曲ができているとは言え、余りに誕生日に向かないその曲を編曲することから始まったその企画は、中々に切迫したスケジュールになっている、らしい。
そして、今日。
第二回集合調整と銘打たれ、一応コミュニティメンバーの全員が、ミクのマスターの所有するマンションに集まったのだった。
そんでもって
「めーねぇ、クッキーもくるってさー」
「あら、やったじゃないの」
「クッキー!」
豪奢なソファでくつろいでいたメイコとグミが歓声を上げる。
コミュニティの中でも比較的起動されて間もないグミは、どうやらこのミクのマスター宅に訪れるのは初めてだったらしい。クッションを抱き、落ち着きなく辺りを見回している。
「こらグミ、あんたちょっと落ち着きなさい」
「えーっ! だってこんな良いおうちにミクちゃん住んでるなんて聞いてない!」
「そりゃ言いふらすようなことでもないでしょうよ」
広い綺麗景色すごい! と騒ぎ立てるグミをたしなめ、メイコはリンに向かって「座りなさいな」と自分の横の席をたたく。それじゃ遠慮なくおじゃまを、と座ると、ちょうどお茶を携えたルカとクッキー缶を抱いたミクが部屋にはいってきた。
甘い香りが部屋に広がる。
「砂糖はこっちですので」
「はいご開帳ー」
「うわっここのクッキー食べてみたかったんだよね! ミクちゃんこれ食べていいの?」
「ある分なら幾らでも。あ、でもこのアーモンドが載ったのは残しといて。マスタが食べるから」
「いえっさー!」
「ルカ、ミルクってある?」
「あぁ、こっちです。グミちゃん、ちゃんと私たちの分も考えて食べて下さいね」
「わかってるよう!」
「あ、レンたちの分どうする? 残しとく?」
「いいわよ、食っちゃえ食っちゃえ」
「めーねぇ、あくどい……!」
**********
ガールズトークって、かわいいよね!
お菓子もりもり食べる女子ボカロたちを妄想したくて書いた。後悔はしていない
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AIさんからリクエストをいただいた、人間パロディのぽルカです
やっぱり字面酷い
**********
「やっほルカさま。来たよー」
「……やっほ」
ルカの青い瞳を、赤いプラスチックが縁取っていた。
思わずその赤を目でなぞってから、がくぽはかくりと首を傾げる。
「ルカさま、眼鏡なんてしてたっけ?」
「伊達」
ああすばらしきかなこの、
『ルカちゃんが他のバンドのヘルプ要員に行くことになったんだけどさぁ、心配だからがくぽさん着いてってあげてくれない?』
電話口から聞こえたその言葉に、がくぽは一も二もなく「いくいくー」と返事してからふと言葉を止めた。
「ミクちゃんはいかないのか?」
『あー私その日友達とデートぉ』
「へぇ」ミクのにやっと笑う様子が頭に浮かぶ「いいなぁJKとデート」
『えへへ、JKの特権ですう』
その言葉を聞きながら、君みたいなJKって居るかいという言葉を飲み込んだ。おれみたいな男だってそうはいないけどさ。そんな風に思いながら電話の向こうの彼女の、体に悪そうな緑の頭髪を思い出す。それから彼女の妹の艶やかな桃色の髪を。
姉妹ガールズバンド『ネギトロ』とはよくよく交流があった。活動範囲が殆ど被っていたのがその一要因だ。
機械音みたいにきれいなボーカルと、がなるような楽器の音が珍しく、印象に残っていた。
それからいつの間にかカイトとミクが仲良くなっていて、それにつられるように余った二人で固まることが何となく多くなったのだ。
『ルカちゃんさぁ、あれでめっちゃおっちょこちょいだから、誰か着いててあげないとほんと駄目なんだって。あたしがついてってあげればそれでいいんだけどさぁ』
「おっちょこちょい……そんな風には見えないけどな」
『がくぽさんは知らないだけだよう! ルカちゃんの本性知ったらびっくりするよ!』
「ふうん?」
本性。
んな大げさなとそのときのがくぽは笑ったのだ。
彼女の姉とのそんな会話を思いだしながら、向かいの席に座る。
待ち合わせに指定された喫茶店は彼女らしい落ち着いた雰囲気だった。桃色の髪が木目に浮いて、なんだか笑ってしまうが、自分も人のことはいえないので口を噤む。いつも通りにゴシック調の、しかし比較的カジュアルなワンピースの彼女に、合わせるつもりで若干ゴシックを気取ってみた自分(ビジュアル系もどきにしかならなかったのが残念でしょうがない)さぞかしこの二人組は浮いていることだろう。
そんな浮いた二人組に物怖じすることなくメニューを聞きに来る、サイドテールを揺らした店員に「アイスコーヒーお願いします」と告げてがくぽはルカに向き直った。
ルカは手元の楽譜に瞳を落としていたが、そこまで真剣な様子でもなかったので声をかける。
「まだ行かなくて大丈夫なのか?」
「……開始、七時なの。早めにいって併せはしたいから、六時には向かうけど、まだ余裕はあるわよ」
「七時開始」
かくんと自分の首が傾くのをがくぽは感じる。
ルカに指定されたのは四時半だ。それの五分前と思ってこの席に向かったのだが。
「お、俺今日ベース持ってないぞ?」
路上セッションでもしたいのか、と恐る恐る聞くと、ルカは大きな瞳をぱちくりと瞬かせた。そんな言葉は予想だにしなかったというようなその様子に、がくぽまで困惑してしまう。口を半開きにして言葉にならない何かを小声で洩らした。
「あ、い、いや。時間余るだろ?」
「余らないわよ」
「え?」
まず今からこの店を出るでしょう? とルカが細い指を折った。
流れるようにキーボードをたたくその指の先にはパールブルーのマニキュアが塗ってある。
彼女の姉に少しだけ似た、機械の合成音声のような声。人のものとはちょっと思えないくらいにきれいな声を、がくぽは気に入っていた。ルカさまも歌えばいいのにね。女王様のように毅然とステージに立つ様子からつけられたあだ名で、内心につぶやく。
「そしたら箱に向かうでしょう? 今日はミクちゃんが連れて行ってはくれないから、一時間はかかるわよ?」
「え」ちょっと待て今からいくライブハウスは「こっからなら、徒歩十分」
「それからちゃんと晩御飯は食べましょうね。奢るわよ」
「あ、いや、悪いって。年下に出させるわけにはいかんだろってか待って、ルカさま!」
思わずルカの肩をつかむ。いつもじゃれ合ってるカイトやキヨテルその他男どもとは段違いの感触に一瞬思考が飛んだ。細い。骨ばっかりじゃないのかこれ。なのに柔らかい。力を込めたら砂糖菓子か何かのように溶けてしまいそうだ。
ちゃんと食ってるのかとそっち方面に心配を抱きながら、はっと我に返ってルカに向き直る。ルカは肩を跳ね上げた形のまま世界のすべての時間が止まってしまったかのように静止していた。
幸い今日行くと聞かされたライブハウスはなじみの場所だ。
「俺に着いてこい」
「……」
これがミクの言っていた"本性"か。
おっちょこちょいというかなんというか、それを見越してしまっているから手に負えない。
がくぽの言葉を聞いた瞬間、大きく目を見開いたルカは、それからあわててうつむきこくこくと頷いた。
「じゃあ、良い頃合いになったら行くとして、……時間が余るな。ルカさま、どっか行きたい場所とかあるか?」
「……ルカ」
「あ?」
「ルカって呼んで」
ルカはうつむいたままでそう言う。
三度傾けられたがくぽの首の骨がばきりと気泡を吐き出した。
「……ルカ?」
「っわ、わんもあ」
「ルカ? ルカ、呼び捨てていいのか?」
こくこくこく、首がこわれんばかりに頷いてみせる。
ふうんとがくぽは思った。やっぱりまだ十七歳だもんなぁ、年相応なところあるよな。うつむく様子が酷く可愛らしく思えて、微笑んでしまう。
「んじゃルカ、とりあえず出るか。その辺適当にぶらぶらしよう」
「っうん」
「デートだな、デート。どこ行く?」
茶化して言って、ふと気づく。おお、これはまさしくJKとデートだ。
彼女が立ち上がると、桃色の髪がそれにつられてふわりと浮かぶ。三つ編みにして胸に垂らした自分の紫の髪がふと視界に入った。
店の中にいる他の客は、こちらが見ると目をそらす。そんなのは、この髪が黒かったときから変わらない。
「がくぽ、わたし、行ってみたかったお店があるんだけど」
「お、じゃあそこ行くか。何て名前の店だ? ググって地図出す」
(ああすばらしきかなこの、くっだらないせかい!)
**********
人間パロのぽルカはほのぼの担当です
シリアスに思い悩んだりするのはミクとかがやってくれるよ!
何か力つきた感が酷いですが、こんなものでよろしければAIさんお持ち帰り下さいませ
また、リクエスト企画はまだ続行中なので、大木に「こんなん書けよ」みたいなのありましたらどうぞメールフォームか企画記事のコメント欄へどうぞ
トエトかわいいよトエト というぽルカ
ぽルカ!
もう最近ぽルカが好きすぎて一体私は何処へ行くんでしょうか
**********
「えっと、えっとあのえっとえと」
「はい。どうしましたか、ルカさん」
「えっと、あの」
ぎゅっと帽子を握りしめ、俯く様子は愛らしい。
何か用だろうか、トイレか? いや、さすがに彼女はそんな歳ではないものな、と神威は様々なことを思いながらその言葉の続きを待つ。
「あの、えっと、えと」
「ん?」
「か、かむいせんせー」
「はい、神威先生です」
「っき、きらい!」
「え」
素直にならないあのこに付き合うにあたって
「え、え、え、……えぇえ?」
突然の拒絶宣言に神威が思わず愕然としていると、言った方の彼女も驚いたのか、うつむいていた顔を跳ね上げ、「あっ」と小さく悲鳴を上げた。小柄なルカと視線を合わせるためにしゃがみ込んだ体勢のまま呆然としている神威を見て、顔を高揚させぱくぱくと口を開閉させる。
神威はといえば、もう茫然自失だ。
彼女とはそれなりに仲良くやっているつもりだった。
この院に手伝いに訪れるようになって、早二ヶ月。神威はあまり人付き合いの上手い方ではなかったが、小さな子供相手だったら話は別だと知る。
ほかに何人も仲良くなった面々はいた。
だがルカはふと気がついたら側にいるような不思議な子供で、殊更印象深く神威の中に根付いていたのだ。
たこ焼きが好きで、いつも猫を模した帽子をかぶっている。
口べただが、歌ったときの朗々とした声がとてもかわいらしい。
何かのフラッシュバックのように、神威の脳内にルカの姿が浮かび上がる。
初めて対面したとき、木の後ろに隠れながらこちらを伺っていたときの様子。
一緒に唄を歌い、そのハーモニーに二人で感動したときの、照れたような笑み。
バレンタインデーにみんなで作ったというクッキーを恥ずかしげに神威のエプロンのポケットに滑り込ませた小さな手。
院の子供たちはみな好きだが、その中でも特に好意的に思っていた、向こうも恐らく好いてくれていると思っていた彼女に、
「る、ルカさ」
「うっうそだもん! うそだもん!」
なにその超絶拒絶。
「えええ……えぇええ……」
「がくぽくん、どうしたのー?」
「め、メイコ先生」
「あら、なっさけない顔ねぇ」
たたたっ、と走り去ってしまうルカの背中を捨てられた女のごとく腰を落として見送っていると、背後から声がかかった。
振り返るれば、一抱えもある洗濯かごを抱いたメイコ教諭がにやにやと笑って座り込んだ神威を見下ろしている。真っ赤なエプロンが翻って、颯爽とした印象が焼き付いた。かごを抱えたままに片手を棚に伸ばし、危なっかしい手付きで洗剤を取ろうとしているのか。
「どーしたのよ、そんな恋人に捨てられた女みたいな顔して」
「い、いま、ルカさんに……」
「ルカ?」
とりあえずと立ち上がり、メイコの手の先から洗剤を取り上げて持たせ、かごを奪い取る。
あらありがと、と流れるように礼を述べ、メイコは手の中に現れた洗剤をみた。
「きらい?」
なぞられるようにカイトの口から飛び出た言葉に、思わず眉が垂れ下がる。
「……うぅ」
「ずいぶんショック受けちゃってんのよねー」
「だ、だってルカさんにですよ」
「がくぽくん、嫌われてたっけー?」
「そ、んなことはない……と思ってましたけど」ぐう、と机にうなだれた「ちょっと、自信なくなってきました……」
飄々とした態度が常の神威のそんな様子を見て、メイコとカイトはからからと笑う。
どうにも何事も楽観的に捕らえるきらいのある彼らの快活な笑い声は、時には多大な救いとなる。だが今回ばかりはそれはずしりと神威の心にのしかかった。きりりと曖昧に痛む心臓にううう、と絞り出すように呻くと、流石に重症と気づいたかメイコがその肩を叩く。ちなみにカイトはまだ笑っていた。
「まぁまぁ、先生ってのは嫌われてなんぼの商売よ」
「うっ、……ううううぅぅうう」
「メイコ先生、それ追い打ち」
「あら?」
神威はがくんと更に肩を落としてしまう。
嫌われてなんぼ。そう言う彼女は、だが子供たちから非常に好かれている。規律や行儀に厳しいきらいがあるため恐れられてもいるが、それは嫌悪ではなく畏怖だ。
まぁまぁと神威の背中をさするカイトも、柔和な笑みとあたりの良い態度、けれどもきちんと締めるときは締める性質できちんと子供たちに懐かれている。
それなのに自分と来たら、だ。
「……何か、悪いことでもしちゃったんですかねぇ……」
ぐったりとしながら呟く神威を見、メイコとカイトはまたお互いを見、くすりと吹き出した。再度響く笑い声に「ううう」と呻く。
「なんなんですか、もう……」流石にそんなにも笑われるとダメージがでかい。ちょっと泣きそうになりながら神威はイスをたった「洗濯物干してきます」
「い、いやぁごめんごめんがくぽくん」
背中から追いかけてくる笑い混じりの謝罪を聞き流し、部屋から出た。
ぱたん、と態度とは裏腹に丁寧な仕草で閉められた扉を見やり、メイコとカイトはもう一度くすくすと笑う。
「いやぁ、ルカがきらい、ねぇ」
「あの子、どうにも好きなものに素直になれないって感じだものね」
「好きなら好きなほど、肝心なときにつまっちゃうんだよねー」
「まぁそこがかわいいんだけどねぇ」
「ねー」
「それよりもがくぽくんよ! あの顔、みた?」
「見た見た。あれは子供に嫌われたっていうより、好きな女の子に嫌われたって顔だったねぇ」
「年相応なとこもあるのねぇ」
「六つ差かぁ……」
「まぁ、全然ありでしょ」
「がくぽくんにならルカ、任せられるかな」
「か、かむい、せんせい」
園の庭の片隅にある洗濯物干場。
指先がふやけていくのを感じながら洗濯物をつるしていると、背後から例の透き通った声がかかった。
思わず自分の背筋を大きくふるえたのを認め、神威は一つ深呼吸をしてから振り返る。ひきつらせた表情は、いつも通りに機能しているはずだ。この園でもこんな風にすることになるとは、と思う。
嫌われてなんぼだと、メイコは言っていた。
嫌われていようとも、どんな子供にも慈しみを以て接したいと神威は思っていた。
「ルカさん、なんですか?」
木の陰に隠れていても、隠れきらない白い猫をもした帽子がぴくぴくりと生きているようにふるえる。
不安げな瞳がこちらを見上げた。
「えっと、えっと、あのね、」
「はい」
「あの、えっと、きらいっていうのは、うそ。うそついて、ごめんなさい」
ぱすっと軽い感触が足にぶつかる。
小さな手のひらが神威のズボンをぎゅっと握った。
「かむいせんせー、だいすき」
**********
ロリコンじゃないよ!ただの歳の差だよ!
ルカ10歳、ぽ16歳くらいのイメージで
ぽは老成してる感じ
この10年後とかを妄想すると大変美味しくいただけます
我が家設定のカイメイ初対面
短編連作ボカロ家族はカイト→メイコ→鏡音→ミク→がくぽ→ルカ→アカイト→グミ→AHSの順番でインスコされたという設定ですが特に生かされてはいません
海外組はまだノータッチ
**********
インストールされ、起動して三日目。
メイコはマスターにぽんと放り出された部屋で、自分の姉弟機に当たるVOCALOIDと対面していた。
コーリング
「初めまして、カイトです」
「あ、ああ、初めまして。メイコよ」
ぺこっと頭を下げる様子から見るに、向こうも起動からそう時間が経っているわけではないらしい。恐らく稼働時間も、一年に満たないことだろう。
VOCALOIDシリーズの立場としては、とメイコは愛想を作りながら考える。一応『姉』として意識プログラムを組まれているわけだけれど。
「えっと」稼働時間の短い、けれどやたらと人間くさい仕草で彼は頬を掻いた「コラボとかする予定だから、って聞いたんだけど」
「そう、らしいわね」
「単刀直入に言うとさ、俺、あなたのことを何て呼べばいい?」
姉さん、メイコさん、MEIKO? それともメイコちゃん?
指折り数え、こちらを伺ってみせる。
マスターたちの様子を見るに、どうやら一度二度のコラボで終わるような仲ではないらしい。長い付き合いになるのではというのを彼も見越しているらしい。
それでもっての、呼び方だ。
一応メーカーからの扱いとしては『姉弟機』
VOCALOIDシリーズ"MEIKO"がリリースされたのは"KAITO"よりも遅い。CR社のVOCALOIDシリーズは多くユーザーから『きょうだい、家族』として見られている。リリース順にメイコが『姉』でカイトが『弟』という風にされているのだ。
しかし、彼らの場合、起動されたのはカイトが先なのだ。
なんだか良く分からないことが起こっている、とメイコは外部端末の人工皮膚越しに起動してそう経っていないAIに手をやる。
「そ、そうねぇ」
「困ったな」本当に困っているのかいないのか、眉を寄せつつも笑って彼は首を傾けてみせる「どうやって呼べばいいんだ」
「初期設定ではどうなってるの?」
VOCALOIDシリーズには、同シリーズそれぞれに対する反応を設定されている。ちなみにMEIKOからKAITOに対する初期設定は『KAITO』で『庇護』
短編連作ボカロ家族はカイト→メイコ→鏡音→ミク→がくぽ→ルカ→アカイト→グミ→AHSの順番でインスコされたという設定ですが特に生かされてはいません
海外組はまだノータッチ
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インストールされ、起動して三日目。
メイコはマスターにぽんと放り出された部屋で、自分の姉弟機に当たるVOCALOIDと対面していた。
コーリング
「初めまして、カイトです」
「あ、ああ、初めまして。メイコよ」
ぺこっと頭を下げる様子から見るに、向こうも起動からそう時間が経っているわけではないらしい。恐らく稼働時間も、一年に満たないことだろう。
VOCALOIDシリーズの立場としては、とメイコは愛想を作りながら考える。一応『姉』として意識プログラムを組まれているわけだけれど。
「えっと」稼働時間の短い、けれどやたらと人間くさい仕草で彼は頬を掻いた「コラボとかする予定だから、って聞いたんだけど」
「そう、らしいわね」
「単刀直入に言うとさ、俺、あなたのことを何て呼べばいい?」
姉さん、メイコさん、MEIKO? それともメイコちゃん?
指折り数え、こちらを伺ってみせる。
マスターたちの様子を見るに、どうやら一度二度のコラボで終わるような仲ではないらしい。長い付き合いになるのではというのを彼も見越しているらしい。
それでもっての、呼び方だ。
一応メーカーからの扱いとしては『姉弟機』
VOCALOIDシリーズ"MEIKO"がリリースされたのは"KAITO"よりも遅い。CR社のVOCALOIDシリーズは多くユーザーから『きょうだい、家族』として見られている。リリース順にメイコが『姉』でカイトが『弟』という風にされているのだ。
しかし、彼らの場合、起動されたのはカイトが先なのだ。
なんだか良く分からないことが起こっている、とメイコは外部端末の人工皮膚越しに起動してそう経っていないAIに手をやる。
「そ、そうねぇ」
「困ったな」本当に困っているのかいないのか、眉を寄せつつも笑って彼は首を傾けてみせる「どうやって呼べばいいんだ」
「初期設定ではどうなってるの?」
VOCALOIDシリーズには、同シリーズそれぞれに対する反応を設定されている。ちなみにMEIKOからKAITOに対する初期設定は『KAITO』で『庇護』
リクエストをいただきましたので
京築ひよりさん、ありがとうございます
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マスターからたこ焼きをもらった。
パックに入ったそれはまだほかほかと鰹節が揺れていて、口の中に放り込むとどろっと熱くそれでも旨い。もすっ、もすっとルカがリズム良くそれをほおばっている時、
「ルカどのー」
そいつ、神威がくぽは現れた。
クラップユアハンド
「ルカどのルカどの」
ひらひら、不器用に手を振っている。
にぱぁ、と花が咲いているような笑顔はひたすらにあどけない。
舌が回りきっていないような発声は、どこかほほえましく感じられるような物だった。
楽譜らしき紙を片手に、こちらへ駆け寄ってくるがくぽを見、ふと彼がもし子供の姿をしていたらとルカは考える。
「ルカどの?」
顔の作りは、悪くない。
寧ろかなり良い方、美丈夫と言って遜色はない。このまま外見年齢を半分ほどに引き下げるとしたら、男女を見紛うような子供になるに違いない。足りていない感じのする舌足らずは、変声前のボーイソプラノならばあるいは愛らしいことだろう。
いすに座っているルカをのぞき込むためにわざわざ床に座り込む仕草も、子犬のようでかわいらしくみえるやもしれない。
「どうしたん、でござるか?」
しかし、いくらそんな空想をしたところで、目の前の男は悲しいまでに美人な青年で、声も痺れるほどに低い。床に座り込む姿は、なんかもう情けないだけにしか見えなかった。
軽くめまいを覚えながらも、ルカはたこ焼きをつつく串を止めない。
「ルーカーどーのー?」
「何だ」
「……もっと早くに返事が欲しかった、でござる」
「返事はしてやっただろうが。何だ」
むう、と不機嫌そうに一つ唸り、しかしすぐに気を取り直したのかにぱっと笑ってみてる。
その様子も酷く幼い。おまえは足りないな、とつぶやくと、意味を取れなかったのかかくりと首を傾げた。
「この歌詞の意味を教えてほしいでござる」
差し出されたのは、白い上等紙に素っ気ない字で印刷された言葉の連なりだった。
作り手も彼が歌うことを考慮したのか、漢字にふりがなが降ってある。
ルカはそれを受け取り、簡単にざっと眺めた。
がくぽはその様子を嬉々として見つめ、口を開くのを今か今かと待ちかまえている。
「……またか」
「またでござる」
がくぽがルカにこうして歌詞の解釈を聞きに来るのは、そう珍しいことではない。
はじめの頃はほかの成人型ボーカロイド、カイトやメイコ。果てはリンやレン、ミクといった未成年型にも聞いていたらしいのだが、「ルカどのの教えてくれる意味がいちばんわかりやすい」と宣ってからというものの、めっきりルカにばかり駆け寄ってくるようになったのだ。
ほかの五人は犬が懐いたようなものだとほほえましげにルカに寄るがくぽを見守るが、当人からしてみれば冗談ではない。
「このBメロのところの意味が良く分からないのだ」
「……」
その内容は、閉塞感を訴えたものだった。
漠然とした世界や対人関係などに辟易を漏らし、けれども距離感のいらない誰かを求め、いい加減にしてくれと泣き言を言うようなもの。ある程度分別の着いた人格の持ち主ならば共感できるだろうその歌詞は、どうにも幼いきらいのある彼には少し難しいのかも知れない。
「この、語り部のいう『肩を並べられるあなた』というのは、それまで全く言及されておらなんだが、どういった人のことをいうんでござるか?」
がくぽはそう言ってちょんと紙面の一角を指さしてみせる。
青に近い紫で着色されたその爪が、白の上等紙にやたらと映えた。
「……これは」一人にしてくれ、もう沢山だ。そう言った舌の根の乾かない内に、語り部は隣でその愚痴を聞いてくれる誰かを求める「気の置けない知り合いっていうのを求めているんじゃないか」
「きのおけない」
「遠慮しなくて良い、気遣いのいらない」ルカの言葉を鸚鵡返ししたがくぽに、言い含めるように「ただ黙って寄り添ってくれるような」
「寄り添う、でござるか。つまり恋人を求めていると」
「そうとは限らないだろうが。友人や家族だってそうとも成り得る」
「……むう?」
かくん、とがくぽは首を傾けた。その幼い仕草に、ルカは軽く頭痛を覚える。
大きくため息をついていると、いい加減床にしゃがみ込むのに疲れたのか、ルカの隣に腰を下ろした。
「まぁ、つまり、拙者にとってのルカどののような方を求めている、という訳だな」
「……は?」
なに言ってやがるこいつ、とルカはたこ焼きに串を刺す。
が、手応えなくかつんとパックに突き当たった。
あわてて手元をみると、からになったパックが空しくルカの手の中にある。道理で軽くなったものだと思っていたら。
思わずぽかんとしていると、横から手が伸びてからになったそのパックを浚っていく。「空でござるよ?」とその手の主は綺麗なものでもないそのパックを、酷く丁寧な手付きで閉じて自らの膝に乗せた。
そうして「しかし」と何処から出したのか唇に扇をあてる。
「それなら簡単でござるな。ルカどのがまだ居なかった頃を思い出して歌えばよいのだ」
「ちょ、ちょっと待て、おまえ、」
「ん?」
にこりと笑って首を傾げる姿は、妙な慈愛に満ちている。ちょっと待てとルカは早鐘を打つ胸部を押さえた。
ちょっと待て違うこいつはあれだから、中身幼児みたいなもんだから。そういうのは違うから!
「ルカどの?」
「……」
「る、ルカどの? ど、何処へ行くでござるか?」
「……」
「ルカどのぉ?!」
違うそう言うのではない断じて違う!
違うったら違うのだ!
ストックしていたタコゲソをぎりぎりと噛みしめながら、ルカは邪念を振り払うように頭を振った。
そんな馬鹿な。
あいつを好きかも知れないなんて、
(そんなばかなことがあってたまるか!)
**********
ひよりさん、リクエストありがとうございましたそして遅くてごめんなさい
サイトの方にありましたキャラ観を勝手に拝借させていただきましたがこれじゃあがくぽただのアホの子だ!なんか違う!
とりあえずエセ侍言葉とクール系口調楽しかったです
ルカは何気なく男言葉も似合いますよね
素直クールいいよ素直クール。クーデレもいいよクーデレ
現代パロディー
ヤンデレ!ヤンデレ!
ぽルカ!ぽルカ!
**********
「がくぽ」
「ん? 何?」
「なんでもないわ」
ソファから出た肩を暖めるのは、大好きな彼女の声。首に回った細い腕にぎゅっと力がこもれば、俺の肩胛骨にはなんかもうものすごい柔らかい御胸様が押し当てられる。
「そっ、か、ぁ」
そんな幸せを噛みしめながら、その白い腕と首の間に指をねじ込もうと試みる。
俺の手首くらいしかないんじゃないかと疑いたくなるようなその細い腕からは想像も出来ないような剛力が、気管を圧迫し始めている。
声帯が押しつぶされだした。ちょっとさすがに苦しい。
右手も動員しようと開いた雑誌を手放すと、すかさず彼女の空いた手がそれを捕らえて、肩固めのような体勢にもっていかれる。
え、ちょっとちょっと、それは反則じゃありませんか彼女さま。っていうか何その訳わかんない高等技術?!
体を浮かそうとすれば、逆に引き寄せられるかたちでソファに押しつけられる。
その間も肩固めもどきによって着々と意識が遠のき出した。
「る、ルカ?」
「……」
声帯ごと圧迫された自分の声がまるで死人の如きで逆に笑える。いや全然笑えないんだけれども。
なんだこれは、可笑しい。いや確かに我が彼女さまはちょっとびっくりするような怪力の持ち主だけど、さすがに俺も男だし力で負けるなんて、そんな馬鹿な。
「な、ん……」
あ、やばいこれ落ちる。
視界が暗濁して、黄色く染まって、鮮やかに明滅しだす。
ぱさりと顔にかかった彼女さまの髪の匂いに誘われるようにして、横転回転暗転座礁。最後に目に映ったのは珍しく彼女が淹れてくれたコーヒー。妙に甘ったるかったっけ。そういうことか、どういうことだ。
そう言えばルカ、シャンプー変えた?
彼女の愛情と彼の異常
「……ぁ、あ」
あたまがいたい。
薄目を開け確認した時計は五のところを指している。
ずいぶん日が高くなってきた初夏の今日この頃。彼女さまは起きているが生活リズムがてんでむちゃくちゃな彼女の起床時間は全く宛にならない。今は、午後なのか午前なのか……!
「がくぽ、おはよう」
「お、おはよお」
俺が悩んでいるといつも通りと言った風に挨拶をして下さる彼女さま。いやぁ今日もお綺麗ですねなんて言ったら「当たり前でしょ」とか言われそうだ。
勿論そんなの冗談だって分かってるけど。
コンプレックスなんて一個もなさそうに見える、というのがコンプレックスの彼女さまは、そうやって場に応じて対応してしまえるのが悲しい娘だ。だから疲れるんだろう。素直に喜んだりすればいいのに。
そんな彼女さまの精神鑑定はおいておいて、さてはて一体この状況はなんなのだろうかね。
「えっと、る、ルカさんや」
「何かしら」
「これは一体なんですか?」
寝かされていたベッドマットから起き上がり身じろぎすると、がちゃりと金属と金属が触れ合う音がする。
その発生源は、窓から差し込む朝の光をまばゆく反射していた。あ、これ朝だ。このまぶしさはみまごうことなき朝だ。
最後の記憶が正しいとすれば、半日くらい意識を失ってた事になるのか。トイレ行きたくなってきた気がする。
そんな与太を考えていると、少し目を細め、外したエプロンで手を拭きながら彼女はこちらへやってきた。
かすかに甘い匂いがする。香ばしいこの芳香は、彼女さま特製のクロワッサンサンドの香りだ。どうやら朝食を作ってくれていたらしい。
「鎖よ」
「それくらいはさすがに見りゃ分かる」
「ペットショップで買ってきたわ」
「犬扱いですか、俺は。いやそうじゃなくて、」
「そう、『大型犬が逃げそうで周りに迷惑をかけるといけないから』って店員さんに言ったのよ」
右足にはまった合皮性の首輪は、俺の足首の太さに合うようにきっちりと改造してある。几帳面な彼女さまらしい仕事が伺えた。
長く伸びる鎖は部屋に備え付けの家具に固定されている。試しに引っ張るけれども、びくともしない。ああ、さすが俺の彼女さま、仕事ちょう完璧。涙が出てくるね。
「じゃなくて、なんでこんなことって、聞きたいんだが……」
思わず顔をひきつらせていると彼女は俺の顔をのぞき込んで、思わずキスしたくなるくらいにきれいな顔で笑って見せた。
「あなた、この前ミクと楽しそうに話してたんだもの」
その言葉に思い起こされるのは、輝く笑顔で「ルカさんと夏休み遊びに行くんだけど、何処が良いと思うー?」と聞いてくる年下の先輩の顔。
「あ、あれは初音ちゃんの相談にのってて、」
「それにメイコとは呑みに行ったって?」
「カイトも居たよ! 見せつけられて悲しくなってルカんとこ行っただろ!」
「そう、そのカイトとも遊びに行ってたし」
「あいつと遊ぶのも駄目なの?! あたり判定どうなってんだよそれ!」
「リンちゃんやレンくんとも遊んでるし、グミちゃんとはご飯食べたって聞いたわね」
「十四歳相手になんで俺が! っていうか、妹だし! ルカ、聞け! 俺の話聞け!」
半ば自棄になって叫ぶと、ふわりと甘い香りがまた意識を曖昧にさせる。
鎮静作用でもあるみたいだ、と抱きついてきたルカの背に手を回しながら考えた。首筋に立っている爪は痛いけれど、我慢する。
生ぬるい感覚。流血したのかもしれない。彼女の爪は何時だってきれいに整えられていて、それが汚れてしまったのなら少し悲しいなぁと思う。
「不安なのよ。みんなあなたのことが好きだから」
「……あくまでlikeだろ。それに、みんなはルカの事だって大好きだぞ」
むしろ俺よりもルカの方が好かれていように、彼女はそう言うところに自信がない。
「不安なのよ、たまらないの。でも、私以外の前では笑わないで、喋らないで、歌わないで、なんて、言えないじゃないの」
「……別に言えばいいだろうが」
彼女がそう言ったなら、俺はおそらくそれを実行する。
彼女以外の前では笑わないし喋らないし歌わない。彼女が嫌がるなら彼女以外の人間と接することだって止めてやろう。
でも俺の彼女さまはそんなことを言ったりはしないのだ。優しい優しい彼女は、そんな程度のことで俺が苦しむとでも思っているのだろう。
ああ、可哀想なルカ。
優しい癖に欲深くて、思慮深い癖に考えなし。
だからこんな風になってしまうんだ。
「ずっと我慢してたわ。けど、もうだめ。もうだめなの」
「そうか、もうだめか」
「ごめんなさい、がくぽ」
「気にしちゃいないよ」
肩から伝い落ちる水は、俺の血液かルカの涙か、考えている内にルカ特製の朝ご飯はすっかりさめてしまう。
それが何となく惜しくて、彼女さまがご飯作ってくれるなんてレアなのになぁと俺は考えていた。
それできみがしあわせなら、ぼくはなんだっていいよ
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……あれ? なんか書きたかったのと違、あれー?
もっとこうハードなヤンデレになる予定だったのになんだこれ。がくぽの一人称の所為か! 緊張感がない!
監禁ルカさまとはねっかえりがくぽを本格的に書こうかどうか迷ってます
書いたらこれがちょっと対になるのかな
両方ともぽとルカ。これは譲らん。
あれ? ルカぽ?
ルカの異常な愛情と、がくぽの異常な包容、みたいなそう言う話
ヤンデレ×ヤンデレはえらい楽しいね!