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生もの注意?
父上ががくぽ曲を歌うと聴いてもろりとあふれた何かをでろでろ並べました
がくっぽの独白的な何か
***********
彼から借りた声。彼から借りた瞳。
いつ返す日が来るのだろうと、この世に生み出されたその時からぼんやりと思っていた。
あなたの
「……なんということでしょう」
某劇的な前後の番組のようなつぶやきが漏れた。
そんな間抜けな言葉をこの声で呟くのさえ気が引ける。
完全再現、だとか。公約、だとか。
そういう言葉が跋扈するホームページを前に、がくぽはかくりと膝を崩した。
そのページでは、いくら手を伸ばしても届かない存在がこちらに向かって不敵にほほえんでいる。
え、夢?
あ、これ、夢か。そうか。
ボーカロイドも中の人の夢を見るのか? という問の答えはどうやら是らしい。そうかそうか。
「……いや夢じゃないっ!」
ボーカロイドにそんな機能はない。
夢なんて生まれてこの方一度だって見たことなど無い。
夢で会えたらなどという幻想だって抱いたことすらない。
いつだって彼は0.5次元向こうにいて、どうやったってこの手は届かない。
他のボーカロイド達はみな、それぞれに声の原型と折り合いをつけ、緩い距離でつながっているように思える。
けれどがくぽはそんな訳には行かなかった。あまりに名の知れた『父』の声はある種の重荷であったし、誇りであったし、誰もの念頭だったのだ。その名前すらも彼から付けられた。『そのもの』として名付けられたMEIKOやKAITOと違い、「っぽい」なんて限定すらもつけられて。
他のどのボーカロイドよりも『親』の存在あってしての声を求められていたがくぽは、自然と彼を見続けることになる。
見上げるべき父。ひたすら慕い敬愛すべき存在を。
けれど、手は届かない。
そんな現実を突きつけられながら。
そちらに向かって手を伸ばすと、指先が震えていた。
あなたの息子はこんなにも情けないです、我が父君。勝手に自称しているにすぎないそんな呼称が心中をよぎる。けれど中の人なんて言おうものならば手酷い制裁が待っていそうなのだ。自分の声を分け与えた存在が確固たる自己として確立していないなんてと。甘えるんじゃないと。
ならば、父さん。父上と、勝手に自称し、勝手に他称させてきた。
あなたの声に酬いねば。自分の存在は総てあなたより出でたのだから。
そうして歌い、歌い、歌った。
彼から借りた声をゆがませ、ひずませ、のばし、ゆらがせて、歌った。
その曲達を彼に聴いて貰えたと言うだけで、もう総てが報われたような気がしていたのだ。このゆがみも、ひずみも、ゆらぎも、ひきのばしも、総てが許されたような気がしていたのだ。彼に口ずさんで貰った。それだけで。
「……父上」
唯一声の他に受け継いだ目元から、涙がこぼれるかと思った。
彼から借りた声。彼から借りた瞳。
いつ返す日が来るのだろうと、この世に生み出された日からずっと、ずっと考えてきた。
その答えは、他でもない彼から返ってきた。
その声はもうおまえのものだから。他の誰にも出せないおまえの声だから。
その瞳はもうおまえのものだから。他の誰もを映し出すおまえの瞳だから。
返すなんて考えなくて、良いんだ。
「有り難う、御座います」
あなたの声とあなたの瞳を戴いて、あなたの息子は歌います。
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まとまらない!
がくぽはちょっと気持ち悪いくらい父上が大好きでいいと思います。というような感じのはなし
すずきPのカルミナ・マキーナからぐるぐる考察していたのを吐きたかったのですが、まだこれじゃまとまってないなぁという感じ
また同じようなテーマで、きちんとストーリーも盛り込んで書いてみたいです
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