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トエトかわいいよトエト というぽルカ
ぽルカ!


もう最近ぽルカが好きすぎて一体私は何処へ行くんでしょうか





**********



「えっと、えっとあのえっとえと」

「はい。どうしましたか、ルカさん」

「えっと、あの」


 ぎゅっと帽子を握りしめ、俯く様子は愛らしい。
 何か用だろうか、トイレか? いや、さすがに彼女はそんな歳ではないものな、と神威は様々なことを思いながらその言葉の続きを待つ。


「あの、えっと、えと」

「ん?」

「か、かむいせんせー」

「はい、神威先生です」

「っき、きらい!」

「え」







   素直にならないあのこに付き合うにあたって








「え、え、え、……えぇえ?」


 突然の拒絶宣言に神威が思わず愕然としていると、言った方の彼女も驚いたのか、うつむいていた顔を跳ね上げ、「あっ」と小さく悲鳴を上げた。小柄なルカと視線を合わせるためにしゃがみ込んだ体勢のまま呆然としている神威を見て、顔を高揚させぱくぱくと口を開閉させる。
 神威はといえば、もう茫然自失だ。

 彼女とはそれなりに仲良くやっているつもりだった。
 この院に手伝いに訪れるようになって、早二ヶ月。神威はあまり人付き合いの上手い方ではなかったが、小さな子供相手だったら話は別だと知る。

 ほかに何人も仲良くなった面々はいた。
 だがルカはふと気がついたら側にいるような不思議な子供で、殊更印象深く神威の中に根付いていたのだ。

 たこ焼きが好きで、いつも猫を模した帽子をかぶっている。
 口べただが、歌ったときの朗々とした声がとてもかわいらしい。

 何かのフラッシュバックのように、神威の脳内にルカの姿が浮かび上がる。

 初めて対面したとき、木の後ろに隠れながらこちらを伺っていたときの様子。
 一緒に唄を歌い、そのハーモニーに二人で感動したときの、照れたような笑み。
 バレンタインデーにみんなで作ったというクッキーを恥ずかしげに神威のエプロンのポケットに滑り込ませた小さな手。

 院の子供たちはみな好きだが、その中でも特に好意的に思っていた、向こうも恐らく好いてくれていると思っていた彼女に、


「る、ルカさ」

「うっうそだもん! うそだもん!」



 なにその超絶拒絶。



「えええ……えぇええ……」

「がくぽくん、どうしたのー?」

「め、メイコ先生」

「あら、なっさけない顔ねぇ」


 たたたっ、と走り去ってしまうルカの背中を捨てられた女のごとく腰を落として見送っていると、背後から声がかかった。
 振り返るれば、一抱えもある洗濯かごを抱いたメイコ教諭がにやにやと笑って座り込んだ神威を見下ろしている。真っ赤なエプロンが翻って、颯爽とした印象が焼き付いた。かごを抱えたままに片手を棚に伸ばし、危なっかしい手付きで洗剤を取ろうとしているのか。


「どーしたのよ、そんな恋人に捨てられた女みたいな顔して」

「い、いま、ルカさんに……」

「ルカ?」


 とりあえずと立ち上がり、メイコの手の先から洗剤を取り上げて持たせ、かごを奪い取る。
 あらありがと、と流れるように礼を述べ、メイコは手の中に現れた洗剤をみた。












「きらい?」


 なぞられるようにカイトの口から飛び出た言葉に、思わず眉が垂れ下がる。


「……うぅ」

「ずいぶんショック受けちゃってんのよねー」

「だ、だってルカさんにですよ」

「がくぽくん、嫌われてたっけー?」

「そ、んなことはない……と思ってましたけど」ぐう、と机にうなだれた「ちょっと、自信なくなってきました……」


 飄々とした態度が常の神威のそんな様子を見て、メイコとカイトはからからと笑う。
 どうにも何事も楽観的に捕らえるきらいのある彼らの快活な笑い声は、時には多大な救いとなる。だが今回ばかりはそれはずしりと神威の心にのしかかった。きりりと曖昧に痛む心臓にううう、と絞り出すように呻くと、流石に重症と気づいたかメイコがその肩を叩く。ちなみにカイトはまだ笑っていた。


「まぁまぁ、先生ってのは嫌われてなんぼの商売よ」

「うっ、……ううううぅぅうう」

「メイコ先生、それ追い打ち」

「あら?」


 神威はがくんと更に肩を落としてしまう。
 嫌われてなんぼ。そう言う彼女は、だが子供たちから非常に好かれている。規律や行儀に厳しいきらいがあるため恐れられてもいるが、それは嫌悪ではなく畏怖だ。
 まぁまぁと神威の背中をさするカイトも、柔和な笑みとあたりの良い態度、けれどもきちんと締めるときは締める性質できちんと子供たちに懐かれている。

 それなのに自分と来たら、だ。


「……何か、悪いことでもしちゃったんですかねぇ……」


 ぐったりとしながら呟く神威を見、メイコとカイトはまたお互いを見、くすりと吹き出した。再度響く笑い声に「ううう」と呻く。


「なんなんですか、もう……」流石にそんなにも笑われるとダメージがでかい。ちょっと泣きそうになりながら神威はイスをたった「洗濯物干してきます」

「い、いやぁごめんごめんがくぽくん」


 背中から追いかけてくる笑い混じりの謝罪を聞き流し、部屋から出た。


 ぱたん、と態度とは裏腹に丁寧な仕草で閉められた扉を見やり、メイコとカイトはもう一度くすくすと笑う。


「いやぁ、ルカがきらい、ねぇ」

「あの子、どうにも好きなものに素直になれないって感じだものね」

「好きなら好きなほど、肝心なときにつまっちゃうんだよねー」

「まぁそこがかわいいんだけどねぇ」

「ねー」

「それよりもがくぽくんよ! あの顔、みた?」

「見た見た。あれは子供に嫌われたっていうより、好きな女の子に嫌われたって顔だったねぇ」

「年相応なとこもあるのねぇ」

「六つ差かぁ……」

「まぁ、全然ありでしょ」

「がくぽくんにならルカ、任せられるかな」








「か、かむい、せんせい」


 園の庭の片隅にある洗濯物干場。
 指先がふやけていくのを感じながら洗濯物をつるしていると、背後から例の透き通った声がかかった。
 思わず自分の背筋を大きくふるえたのを認め、神威は一つ深呼吸をしてから振り返る。ひきつらせた表情は、いつも通りに機能しているはずだ。この園でもこんな風にすることになるとは、と思う。
 嫌われてなんぼだと、メイコは言っていた。
 嫌われていようとも、どんな子供にも慈しみを以て接したいと神威は思っていた。


「ルカさん、なんですか?」


 木の陰に隠れていても、隠れきらない白い猫をもした帽子がぴくぴくりと生きているようにふるえる。
 不安げな瞳がこちらを見上げた。


「えっと、えっと、あのね、」

「はい」

「あの、えっと、きらいっていうのは、うそ。うそついて、ごめんなさい」



 ぱすっと軽い感触が足にぶつかる。
 小さな手のひらが神威のズボンをぎゅっと握った。


「かむいせんせー、だいすき」














**********


ロリコンじゃないよ!ただの歳の差だよ!

ルカ10歳、ぽ16歳くらいのイメージで
ぽは老成してる感じ


この10年後とかを妄想すると大変美味しくいただけます

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