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AIさんからリクエストをいただいた、人間パロディのぽルカです
やっぱり字面酷い



**********



「やっほルカさま。来たよー」

「……やっほ」


 ルカの青い瞳を、赤いプラスチックが縁取っていた。
 思わずその赤を目でなぞってから、がくぽはかくりと首を傾げる。


「ルカさま、眼鏡なんてしてたっけ?」

「伊達」





  ああすばらしきかなこの、




『ルカちゃんが他のバンドのヘルプ要員に行くことになったんだけどさぁ、心配だからがくぽさん着いてってあげてくれない?』


 電話口から聞こえたその言葉に、がくぽは一も二もなく「いくいくー」と返事してからふと言葉を止めた。


「ミクちゃんはいかないのか?」

『あー私その日友達とデートぉ』

「へぇ」ミクのにやっと笑う様子が頭に浮かぶ「いいなぁJKとデート」

『えへへ、JKの特権ですう』

 その言葉を聞きながら、君みたいなJKって居るかいという言葉を飲み込んだ。おれみたいな男だってそうはいないけどさ。そんな風に思いながら電話の向こうの彼女の、体に悪そうな緑の頭髪を思い出す。それから彼女の妹の艶やかな桃色の髪を。

 姉妹ガールズバンド『ネギトロ』とはよくよく交流があった。活動範囲が殆ど被っていたのがその一要因だ。
 機械音みたいにきれいなボーカルと、がなるような楽器の音が珍しく、印象に残っていた。
 それからいつの間にかカイトとミクが仲良くなっていて、それにつられるように余った二人で固まることが何となく多くなったのだ。


『ルカちゃんさぁ、あれでめっちゃおっちょこちょいだから、誰か着いててあげないとほんと駄目なんだって。あたしがついてってあげればそれでいいんだけどさぁ』

「おっちょこちょい……そんな風には見えないけどな」

『がくぽさんは知らないだけだよう! ルカちゃんの本性知ったらびっくりするよ!』

「ふうん?」


 本性。
 んな大げさなとそのときのがくぽは笑ったのだ。


 彼女の姉とのそんな会話を思いだしながら、向かいの席に座る。
 待ち合わせに指定された喫茶店は彼女らしい落ち着いた雰囲気だった。桃色の髪が木目に浮いて、なんだか笑ってしまうが、自分も人のことはいえないので口を噤む。いつも通りにゴシック調の、しかし比較的カジュアルなワンピースの彼女に、合わせるつもりで若干ゴシックを気取ってみた自分(ビジュアル系もどきにしかならなかったのが残念でしょうがない)さぞかしこの二人組は浮いていることだろう。
 そんな浮いた二人組に物怖じすることなくメニューを聞きに来る、サイドテールを揺らした店員に「アイスコーヒーお願いします」と告げてがくぽはルカに向き直った。
 ルカは手元の楽譜に瞳を落としていたが、そこまで真剣な様子でもなかったので声をかける。


「まだ行かなくて大丈夫なのか?」

「……開始、七時なの。早めにいって併せはしたいから、六時には向かうけど、まだ余裕はあるわよ」

「七時開始」


 かくんと自分の首が傾くのをがくぽは感じる。
 ルカに指定されたのは四時半だ。それの五分前と思ってこの席に向かったのだが。


「お、俺今日ベース持ってないぞ?」


 路上セッションでもしたいのか、と恐る恐る聞くと、ルカは大きな瞳をぱちくりと瞬かせた。そんな言葉は予想だにしなかったというようなその様子に、がくぽまで困惑してしまう。口を半開きにして言葉にならない何かを小声で洩らした。


「あ、い、いや。時間余るだろ?」

「余らないわよ」

「え?」


 まず今からこの店を出るでしょう? とルカが細い指を折った。
 流れるようにキーボードをたたくその指の先にはパールブルーのマニキュアが塗ってある。
 彼女の姉に少しだけ似た、機械の合成音声のような声。人のものとはちょっと思えないくらいにきれいな声を、がくぽは気に入っていた。ルカさまも歌えばいいのにね。女王様のように毅然とステージに立つ様子からつけられたあだ名で、内心につぶやく。


「そしたら箱に向かうでしょう? 今日はミクちゃんが連れて行ってはくれないから、一時間はかかるわよ?」

「え」ちょっと待て今からいくライブハウスは「こっからなら、徒歩十分」

「それからちゃんと晩御飯は食べましょうね。奢るわよ」

「あ、いや、悪いって。年下に出させるわけにはいかんだろってか待って、ルカさま!」


 思わずルカの肩をつかむ。いつもじゃれ合ってるカイトやキヨテルその他男どもとは段違いの感触に一瞬思考が飛んだ。細い。骨ばっかりじゃないのかこれ。なのに柔らかい。力を込めたら砂糖菓子か何かのように溶けてしまいそうだ。
 ちゃんと食ってるのかとそっち方面に心配を抱きながら、はっと我に返ってルカに向き直る。ルカは肩を跳ね上げた形のまま世界のすべての時間が止まってしまったかのように静止していた。
 幸い今日行くと聞かされたライブハウスはなじみの場所だ。



「俺に着いてこい」


「……」


 これがミクの言っていた"本性"か。
 おっちょこちょいというかなんというか、それを見越してしまっているから手に負えない。
 がくぽの言葉を聞いた瞬間、大きく目を見開いたルカは、それからあわててうつむきこくこくと頷いた。


「じゃあ、良い頃合いになったら行くとして、……時間が余るな。ルカさま、どっか行きたい場所とかあるか?」

「……ルカ」

「あ?」

「ルカって呼んで」


 ルカはうつむいたままでそう言う。
 三度傾けられたがくぽの首の骨がばきりと気泡を吐き出した。


「……ルカ?」

「っわ、わんもあ」

「ルカ? ルカ、呼び捨てていいのか?」


 こくこくこく、首がこわれんばかりに頷いてみせる。
 ふうんとがくぽは思った。やっぱりまだ十七歳だもんなぁ、年相応なところあるよな。うつむく様子が酷く可愛らしく思えて、微笑んでしまう。


「んじゃルカ、とりあえず出るか。その辺適当にぶらぶらしよう」

「っうん」

「デートだな、デート。どこ行く?」


 茶化して言って、ふと気づく。おお、これはまさしくJKとデートだ。
 彼女が立ち上がると、桃色の髪がそれにつられてふわりと浮かぶ。三つ編みにして胸に垂らした自分の紫の髪がふと視界に入った。
 店の中にいる他の客は、こちらが見ると目をそらす。そんなのは、この髪が黒かったときから変わらない。


「がくぽ、わたし、行ってみたかったお店があるんだけど」

「お、じゃあそこ行くか。何て名前の店だ? ググって地図出す」








  (ああすばらしきかなこの、くっだらないせかい!)



**********

人間パロのぽルカはほのぼの担当です
シリアスに思い悩んだりするのはミクとかがやってくれるよ!

何か力つきた感が酷いですが、こんなものでよろしければAIさんお持ち帰り下さいませ
また、リクエスト企画はまだ続行中なので、大木に「こんなん書けよ」みたいなのありましたらどうぞメールフォームか企画記事のコメント欄へどうぞ



拍手[8回]

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COMMENTS
萌え死にそうです。
2010/08/03(Tue)21:32:56
ありがとうございました!!(最敬礼で)
いやもうホントにえーとテンション上がって萌え萌えでどうしたらいいかわからないんですけど、個人的にいっぱい萌えツボがあって本当にゴチソウサマです!
「俺についてこい」ってがっくん、がっくん!!
っていうか、「サイドテールの店員」と「アイスコーヒー」の元ネタは踊る侍で赤縁眼鏡はMEGANEなのかなって思ったらさらに萌えて、ルカ様が可愛くて、三つ編みを結ってるがくぽを想像したらさらに萌えて……どうしたらいいですか?

テンション上がりっ放しで変な文章になってしまって申し訳ないです。でも本当にありがとうございました。
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