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お風呂!
お風呂!


**********



 基本的にボーカロイドの外部端末は新陳代謝の機能を持っていないので、一週間に一度程度汚れを落とすくらいで事足りる。私の端末は特に、髪が鬱陶しいほど長く手入れに手間がかかるのだ。出来るだけ手を抜きたい。
 ドライヤーの強風でゴミを飛ばすだけでもかまわない。
 のだが、マスターは頑ななまでに私に『入浴』を勧める。





  bath roman





 何の対策も行わずにユニットバスに入ると、もう髪の湯か何かかと言いたくなる程に髪が広がるので、根性でふん縛って一つにまとめた。そうしててきとうに体を泡にまみれさせた後、シャワーで泡を流しながら湯船にお湯を貯める。
 ふと見ると黄色いラバーダックが棚に置いてある。


「……」


 ここはマスターの住んでいる高級マンションの一室で、基本的にこのバスルームを使用しているのはマスターである。
 年齢不詳の、だがしかし良い歳であろう成人男性である。


「……どう、反応しよう……」


 本当に、対処に困るからやめて欲しい。
 棚から取り上げて、押しつぶすと間抜けな音がする。ぱふーだがぎゅびゅーだか言って、赤いバケツを被ったアヒルが潰れた。
 そんな事をしている間に順調に湯船に貯まったお湯は、薬剤のおかげでぶくぶくと泡立っている。あまり意味の見いだせない気泡達に一つため息を吐き出し、私は膝を追ってお湯に浸かった。
 胸のすぐ上辺りまで迫った泡を持ち上げ、息を吹きかけたりしてみるがいまいち楽しくない。


「……」


 不意に、がらーっと脱衣場に繋がる引き戸があけられた。このマンションはユニバーサルデザインを採用しているので、本当は音なんて出ないのだが、私はそんな錯覚を覚えた。
 そちらを仰ぐと、ワイシャツの袖とスラックスの裾をまくり上げた格好のマスターが仁王立ちをしていた。
 果てしなく真剣な顔で湯船に浸かる私を見下ろしている。


「……マスタ、一応聞きますが、私の設定年齢はご存じですか」

「うん? 十六歳だろう? それがどうした」

「十六歳の少女が入浴中の浴室に堂々とはいらないで下さい。犯罪ですよ」

「大丈夫だ、私は君の親みたいなものだからな」


「親でもセクハラって成立するんですよ」とは言わない。
 たとえ入浴中に乗り込んでも咎められない他の言葉があるのに、この変に不遜なマスターは決して其れを使おうとしない。私は酷く苛つくが、いつもの事だとため息を吐く。

 泡で隠れているとは言え、殆ど全裸の私に対して何の気負いもなく接してくる、その態度!

 マスターが私に注ぐ愛情は、基本的に子供に対する庇護と何も変わらない。
 その扱いに不満はあれど、なれてはいた。


「……もう良いです」

「うん、そうか!」マスターは満足げに頷いた「初音くん、所で、体はもう洗ったのかい」

「洗いました」

「ふぅん、そうかい」


 そう言うと私の頭のほうへ歩み寄り、


「じゃあ、髪を洗うぞ!」


 私が十五分かけて纏め上げた髪をいとも簡単に解いて、豪快に笑った。


「……」


 この髪洗うのにシャンプーとリンスどんだけいると思ってんですか、だとか、私の十五分返せ、だとか、拒否権はないのですか、だとか。
 沸いてきた怒りや呆れ、何もかもをのみ下して私はため息を吐く。


「どうぞ、お好きに」










 水が首筋を流れていく。
 たっぷり三十分かけて私の頭を泡まみれにさせたマスターは、鼻歌交じりにご機嫌に、それを丁寧に洗い流していた。この後の簡単なタオルドライの後、リンスが待っている。


「楽しそうですね、マスタ」

「楽しいぞ! ……あ、や、痛かったか? 何処かひきつった?」

「いいえ」器用なマスターは、規格外に長い私の髪も的確に捌いて洗っていく「大丈夫です」

「そうか、なら良い」

「……マスタ、実は髪フェチですか?」

「うん? 言ってなかったか? 私がお前を買ったのは、売っていたボーカロイドの中でお前が一番髪が長かったからだぞ?」

「な、なん……だと……?!」




**********


最後のはおまけです

根岸さんのキャラクターが掴めない今日この頃
榎木津みたいなイメージで固めていく予定です



既存のミクのイメージを多少ぶち壊す根岸さん家の初音さん

題名元ネタは勿論某入浴剤

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