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JBFピアノバージョンエンドレスしたらもう妄想が止まらないので吐き出し

例のごとく全然原型はとどめてない


ピクシブのとある絵から着想を得ました。
本人様知らないでしょうが有り難う御座いますすみません。
苦情が出たら速攻消去します

現代パロかつ若干痛々しいので注意
キャラ? とっくの昔に崩壊してますがなにか?

**********



 朝起きたら、右手に赤い糸が巻き付けられていた。
 其処から伸びた一端の先には、酷く冷たい瞳をした彼女。







  友達になんてなれない







「……ルカ?」


 なぜだか酷く痛む頭を、気怠い腕で押さえた。ぎしりとベッドのスプリングが腰の下で軋む。
 彼女は変わらず冷たい瞳で僕の手をのぞき込んでいる。
 右手の指先が鬱血していく感覚におもわず眉を寄せて目を下ろすと、雁字搦めに巻き付けられた赤い毛糸が目に入った。思わず瞬きをする。
 化繊でできたそれが僕の片手を締め付け、指の動きを拘束していた。


「ルカ? なんだこれは?」

「赤い糸」


 そう言いながら、彼女は僕の手から伸びた毛糸の一端を自分の手に巻き付け始めた。
 ぐるぐると、きつく、煩雑な手つきで絡めていく。
 みる間に彼女の白い手が赤くまだらになった。


「それくらい、見れば分かる」

「うん」


 ぐるぐるとぐるぐると巻き付いた毛糸の先を薬指に結びつけ、ルカはやっと手を止めた。
 のっぺりとした無表情が、やっぱり手元の赤い糸をじっと見ている。

 その姿に、じりじりと焦燥しているようにこめかみが痛んだ。
 白く清潔なシーツのベッドと、殺風景な壁。この落ち着いた内装はルカの部屋だ。
 ぽろぽろと昨日の記憶が頭にわき上がる。
 そう、昨日は彼女に誘われて。ご飯を食べて、いつものように喧嘩をして、それから、それから、……どうしたのだったか。頭が重くて、思考が鈍い。浅い吐き気がした。喧嘩をいつものように、という風に表現してしまう自分に酷く苛つく。

 絶対に大きなベッドは譲らない、というルカの信念の元に部屋に置かれたベッドの上、寝ていたらしい僕の枕元にルカは座っていた。
 その手元に赤い持ち手のはさみが転がっていて、その刃に反射した光が僕の目を刺す。白いカーテンは引かれ、大きな窓から朝日が射し込んでいた。


「具合、大丈夫?」

「え? だ、いじょうぶ」


 反射的にそう答えるが、全然大丈夫な気はなかった。
 ルカは相変わらずうつむいたままで、表情は伺えない。


「急にばたって倒れたから、驚いたのよ」

「あ、ああ……酔ったん、だったか」


 それならこの頭の痛みにも、言いようのない倦怠感にも頷ける。
 記憶には無いが、苛立ちにまかせ手元にあった酒でも飲んだんだろう。下戸の上に絡み酒の気がある僕の事だから、ルカに相当迷惑をかけてしまったに違いない。
 急に申し訳なく感じ慌てて体を起こしたが、ごんと脳を内側から揺さぶられるような痛みに眉を寄せた。胃のあたりがむかむかする。

 ああ、これは相当悪酔いしていたに違いない。 心の底から罪悪感がわいてくる。
 恐らくルカは僕の世話を焼いてくれたのだろう。
 感謝と謝罪を述べようと向き直ると、ルカは転がっていた鋏を手に取るところだった。しゃきんと金属の擦れ合う音がして、僕の声は飲み込まれた。







「……あなたが寝ている間にね、殺してしまおうと思ったの」







 ハスキーな彼女の声は、少しだけ泣いているようにも聞こえた。




「は、……何の、冗談だ?」


「冗談なんかじゃないわよ」


 ルカは顔を上げた。
 そこには人形みたいな無表情が貼り付いている。
 それは酷く不気味で。なんだか、悲しかった。


「お酒にスポーツドリンクを混ぜたの。わたしは飲まなかったわ。あなたが寝たら、殺して、わたしも死のうと思ったのよ」

「なん、で」


 なんでそんなことを。


「あなたと喧嘩しながらね、こんなことなら別れた方がいいんじゃないのかって思ったのよ。
 こんなにつらいなら、もう会わない方がいいんじゃないかって。
 でも、それを想像して、そしたら急に怖くなったの。

 絶対にいや。
 別れたくなんて無い。
 無理よ、離ればなれになるなんて。

 でも、あなたがもしもそれを望んだら。わたしが思ったように、あなたもそう思ったら、って思ったら、怖くて怖くてたまらなくなった。
 だから、殺してしまおうと思ったの。そうすればあなたは別れよう何て言わないもの」


 でもね、とルカは顔を伏せた。


「眠ってるあなたをくびり殺そうと思って、手をかけても、全然駄目なの。力が入らないのよ。
 殺せないよ。だって生きていてほしいもの。死んでしまったら、あなたは笑ったり歌ったりしてくれないもの。

 だから、あきらめることにしたの」



 顔を上げて初めて、ルカはにっこりと笑った。
 目を細めて、口の橋をあげて、ちょっと小首を傾げた、いつもの笑み。
 それは、泣きたくなるくらいに綺麗な顔だった。


「このね、赤い糸。
 これを切ったら、全部終わりにしましょ。

 全然の他人は悲しすぎるから、友達になりましょう。
 あなたはわたしの部屋に遊びに来て酔っぱらって泊まっていった男友達で、わたしはこういうのは困るからもうやめてよねって怒るわ。

 友達だったらいいわよね? 恋人みたいに踏み込まないから、わたしがあなたという男友達をどう思っていようが、あなたは知らなければ知らないでいいの。

 この糸を切ったら、それでいいわよね? そう、しましょ?」



 しゃきん、と鋏が空を切る音がする。
 息をのむように、祈るように、ルカは糸を二つの刃に挟んで、それを僕の手に握らせて一緒に手を添えた。
 刃の先がふるえる。










「嫌だ!」








 金属音は、響かない。



 代わりに差し込んだ僕の手に鈍い痛みが広がる。
 普通の鋏では流石に傷は付かないけれど、じくじくと痛む。
 じくじくとじくじくと。視界がにじむのは、その所為ではない。




「嫌だ。そんなのは駄目だ。断る。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!」

「がく、ぽ」

「無理だ、嫌だ。絶対に嫌だ。何で、何で好きなのに、好きなのにそんな風に」

「でも、もうこんなのは、」

「嫌だ!」


 頬を涙が伝っていくのが分かった。
 一筋跡が出来れば、あとはもう簡単に、洪水のように流れていく。

 駄々っ子のようだ、と冷静な自分が呟いて、その自分さえもルカとは離れがたいからしょうがないと自嘲した。


「いやだ、友達になんてなりたくない。好きだ愛してる、愛してるんだよ」


 鋏がベッドから落ちて音を立てた。
 ルカの顔は涙で濡れて見えない。困った顔をしているのだろうか。泣きそうな顔をしているのだろうか。分からない。赤いひもが巻き付いたその白い手を両手で握りしめていると、そっと冷たい指がそれを包み込んだ。

 僕とルカの体温の差。




「私だって、そんなの嫌よ」



 ぐすりと鼻をすすり上げる音が聞こえる。
 雨のように、ぼたりぼたりと涙がシーツを叩く。
 それは僕のものだろうか。それともルカのものだろうか。









「友達になんてなれない」
  (さよならを言う時なんて永遠に来なくていい)





**********

いろいろとごめんなさい。
本当にごめんなっさい。

もうこれがくぽとルカでする必要あんのとかね。
っていうか何かもう恥ずかしいやらなんやらですごく死にそう。恥ずかしいよ!
あとすごくほうぼうの方々にごめんなさいしないといけないよね。ごめんなさい



これがくぽ×ルカをリクエストして下さった方に捧げようかと思ってたんですが流石に無いな!
もっとこうラブラブしたツンデレっとしたのを書きます。少々お待ち下さい。

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