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和風パロ第二段ー
前回と同設定です
ya☆ku☆za☆っぽいカイトと極道の妻的な女中的なリンさん
もうこの一行で非常に人を選ぶのが手に取るように分かるな!
趣味に走りに走ったらなぜか鏡音ズとミクさんの年齢差が逆転しました
一体私はどこへ行きたいんだろう
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「リン、リン」
「なに? カイトの兄さん」
甘味ならお勝手の水屋の中にありますよう、と洗濯篭を抱いてリンは笑う。
自分の扱いに慣れきったその笑みにカイトは苦笑し、いやと頭を掻いた。
FiNゑ
長い髪が畳に広がっている。
すうすうと薄い胸を上下させ、ミクと呼ばれる屋敷の世話子は、安らかな寝顔を晒していた。
「……こんな小さいミクを自分の部屋に連れ込んで、何してるのさ、カイトの兄さん」
「なっ、何もしとらんよ俺は! 本を読ませろってせがまれたから上げただけだってば!」
「本、ねぇ」
「止めて、そんな目で俺を見ないで」
確かに仰向けで豪快に眠るミクの横には、彼女が読むには少しばかり早いのではないかとさえ思われる草子が落ちている。
この屋敷で、カイトは唯一の知識人といって差し障りない。本当の本当に育ちよく、賢慮も兼ね備えているのは囲われ娘のルカだが、それを除けば彼はお家一番の勉強家であると言えた。
あてがわれた部屋が広いものなのでその量に気付きにくいが、書物が三畳程を締める本棚に入れ込まれ、さらにその周囲にも何冊かの積み上がりが出来ている。
本当ならば学習塾にでも通うこととなっていたであろう年頃のミクは非常に知識に飢えており、こうしてカイトの部屋を訪れることがよくあったのだ。
今回はそれに夢中に成りすぎ、本当に夢中へ陥ってしまったというところか。
そういえば早朝、女中たちに混じり細々と家事を手伝う姿を見かけた。小さな体に疲れが溜まっているのもあるのやもしれない。
齢九つでこの屋敷に据え置かれ、名前を変えられそれまで手に粉を付けたことも無かろう少女にとって、この部屋は唯一年相応な勉学という行為に励める、得難く安らげる場所なのかも知れぬ。
と、学の無いリンがそんな小難しい事を考えるわけもなく。
流石にカイトが手を出そうとしていたなんていうのは冗談だが、カイトに構って貰って遊ぶうちに疲れ眠ってしまったのだろうと判断した。
「メイコの姉さんを悲しませるような事だけはしないでよね」
「し、しませんよ? えぇえ、何、この言われよう……泣きたい」
本気で涙目になっている兄貴分に溜息一つ、頼まれて押入から引き出してきた柔布で、ミクをくるむようにして持ち上げる。
カイトには布団を掛けてやりたいので出してくれとしか頼まれていなかったが、こんなほこりっぽいところで寝るのは体に悪いと主張したのはリンだった。
鍛えているなんてそんな事はないが、それでもミクの体は軽く、力を込めよう物ならぽっきりと潰れてしまいそう。
「ルカ姉さんの所で、良いのかね?」
「いいんじゃないのか、あ゛」
「あ゛?」
唐突に上がった奇妙な声に眉を寄せる。
カイトは不自然に視線をうろつかせ、決まりの悪いひきつった笑みで「ええと、ほら、今日は、さ」と言葉を濁した。濁されてもそれをくみ取る賢しさはリンには無い。彼女はけして阿呆ではないが、思慮だとかには結構欠けていた。
然る後、カイトが何をいいたいのか全く分からない。
「今日は? 何かあったっけ?」
「ほら、リン、若が!」
「若が?」
ああもう!
そんな風にカイトは乱暴に頭を掻くが、リンにはさっぱり解さない。
確かに今日は若こと、神威家長男がこの屋敷に居る。
それは本来なら取り立てて珍しいことでも無いのだが、最近の所何やら立て込んでいたごたごたがあったとかでめっきり居られなかったのだ。昨日も昨日、そのごたごたが収束したとかでやっとこさの帰宅と相成った。
その際、リンも暫く振りにレンとの再会を演じたわけだが、その辺りの記憶は大変恥ずかしいので早くも封印されている。
そんでもって、その若が。
疲れのためかまだ恐らく起床もされていない若が。
一体全体、時期お台所のルカ姉さんのお部屋となんのご関係が。
「……ああ、はいはいはい」
「うん、分かってくれたか」
両手を打とうとして、ミクを抱えているのを思い出して止める。
カイトはしたり顔で頷いた。
ならば、どうしたものかなぁとリンは首を傾け、これだけ会話をしていてもすいよすいよと眠り続けるミクを見やる。
カイトの部屋での読書も、幼く賢しい彼女なりに愛するあねさまを気遣ったが故の行動だったのだが、リンはそんなことを知る由もない。
ただでさえ来客が激しく、慌ただしいこの屋敷だ。適当な座敷に転がしておくという訳にも行くまい。客人の侠客を通した先に、小さな餓鬼砂利がすいよすいよと眠っておられるのでは総本家神威の名が立たない。
傾物と称される若ならば面白がってそれを許しそうだが、彼の妹さまがそれを許すか。許すわけがあられない。
「……どうしたものかね」
カイトは左上をにらみつけ、ふうと鼻から息を吐く。
リンの腕の中のミクが「んんんん」と身じろいだ。
「リンー、リン何処行ったー?」
「リンちゃんなら、カイト兄さんのとこ行くの、見たけど……」
「カイトの兄さん?」
んん、とレンは眉を寄せる。
今更二人の仲をどうこうと疑うことなどない。間違うことなく、血の繋がることがなかろうが、彼と彼女は妹と兄だ。それが覆ったりすることなど、天と地がひっくり返らなければわからない。
教えてくれたハクに礼を言い、カイトにあてがわれた座敷へと足を向ける。
入って、一つ溜息を吐いた。
「……布団、どこにあるんだっけ?」
二人分の布団の追加を探すべく、レンは踵を返した。
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けしてリンカイではない何か
なんなんだろう……一体何処へ行きたいんだろうか私は
欲望のまま突っ走ってるよ!きをつけよう 妄想は急には止まらない
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