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和風パロ第四弾?
会話ばっかり


ミクとだれか。だれでしょう

**********




 ――お嬢ちゃんお嬢ちゃん、こんな時間に一人で、こんなところに如何したい?
 もう夜だよう、真っ暗だよう? 危ないよ?


「……今から帰る」








  HoMゑ








 ――ああ、お嬢ちゃんかむいさまのお家の子かい?
 お使いにいくって事は世話っ子かな? こんな子供に一人で出歩かせる何てかむいさまもあくどいねぇ


「……違う、わたしが、かってに」


 ――勝手に? 勝手に出てきたのかい?
 そりゃあいけねぇなぁ、お嬢ちゃん
 最近はエラい物騒だって噂じゃないのさ。お嬢ちゃんみたいに可愛い子は人攫いにかっさらわれちゃうよう?


「ひとさらい?」


 ――あらさ箱入り娘だねぇ、聞いてないのかい?
 どうやら育ちも良いようだし、こんな世話っこどこから仕入れたんだか


「あなた、ひとさらい?」


 ――えっ、やだな、違うよう。
 さすがにそこまでおまんまに困っては居ないよう


「でも、町ではあなた、見ない」


 ――あんまり昼間は出歩かないからねぇ
 夜型なのさ。猫みたいなもんさね

 ――しかし、お嬢ちゃん、よくよく町に出るのかい?
 それじゃあいっそう困り物だねぇ。かむいさまのとこの子なんて浚いがいのある獲物がぁふらふらしてちゃいけないよ
 ほら、お屋敷まで連れてってやるから、一緒にいこうよう


「……」


 ――なんだい? 怪しくてならないって?
 安心してよう、こう見えてかむいさまのとことはちょっとした知り合いでね
 あそこに勤めてるリンってのは一等のともだちだし、レンなんてのは弟分みたいなもんだよ


「……」


 ――ん? 安心してくれたかい?
 そいじゃあね、お手てつないでからからいこうか
 お嬢ちゃん、かむいさまのとこの若はどうだい? お台所様とはなかよくしてるかい?
 泣かせてなんて居ないだろうね?


「あねさま、知ってるの?」


 ――やぁ、お嬢ちゃんお台所様の世話っこかい
 それじゃあ育ちが良いのもうなづけらぁね。お台所様のしつけは厳しそぉだ
 そうそう、知ってるよう。おきれいなかただからねぇ、一度見たらわすれないねぇ


「あねさまは、おきれい」


 ――そうさねぇ、まるで人ではないようだものねぇ


「……あいつも、おきれい」


 ――あいつ? あいつってぇと、流れからしてかむいさまの若のことかい?


「そう」


 ――……そうだねぇ、あの方も確かにおきれいだねぇ
 あそこんとこはきれいどころの寄せ集めみたいなもんだからねえ


「おふたりとも、とても仲が宜しいから、いっしょにいると、すごくおきれいで」


 ――うんうん
 おきれいだねぇ。まるで絵画のようだねぇ


「それから、おふたりとも、すごく優しくて
 あねさまはおこると恐いけど、いつもすごく優しくて、おぐしを結って下さる
 あいつはすごく腹立たしいけど、ほんとはすごく優しくて、あたまをなでてくださる」


 ――うん、うん


「それから、おふたりとも、笑って下さる
 おふたりが笑ってるところを見るのが、わたしは一等しあわせ」


 ――そうだねぇ、ウチもあのお二人を見てるのはしあわせだよ
 おきれいだものねぇ、お強いものねぇ


「わたしはそれをずっとみれるなら、しんだっていい」


 ――……そりゃあ、まぁ、ずいぶんと
 こりゃあしつけって訳じゃあなさそうだねぇ。あな、すえおとろしぃねぇ


「? なに?」


 ――お嬢ちゃん、ウチ来るかい?
 お嬢ちゃんのその忠誠心なら立派な裏犬に……







『あ、ミク! どこ行ってたのよ、この子は!』








 ――っと、お嬢ちゃんお迎えだよ
 メイコの姉さん、相変わらず元気そうで何よりだねぇ。カイトの兄さんと仲良くして欲しいねぇ
 ほらお嬢ちゃん、おいき


「……おねえさんは、いかないの?」


 ――こっちはあんまり昼間に顔を出さないことにしてるからねぇ
 まぁ、また気が向いたら遊びに来るよう。若様とルカさまに、宜しくなさってね




『ミク? あ、ちょっとそっちの、』




 ――さてと、そんじゃ、メイコの姉さんが来る前に退散いたしやしょうか
 お嬢ちゃん、またね



 ――"自分がしんでも"じゃなくて、"ひとを殺してでも"大事なお二人を護りたいと思うようになったらね、こちらへおいで


「……うん。送ってくれてありがとう」


 ――いいよういいよう、こんぐらいしかしてやれなくて申し訳ないくらいだよう
 今度は一緒にお歌でも歌おうねぇ




 にっと暗がりへとけ込むように彼女は笑って、きびすを返して行ってしまった。
 かけ寄ってきたメイコの姉さんをよそにそのうしろ姿に目をこらす。
 ゆれないくらい短い髪に裾のまくり上げた浪人みたいな格好は、みょうに颯爽としていた。




『あっ、こら、待ちなさい! ちょっと!』




 見失ってしまったのか、眉根を寄せて暗いろじから目を離し、わたしのほうへと視線をおろした。


「メイコの姉さん」


『ミク、さっきの、知ってる人だった?』


「……知らないひと」






 おそらく、わたしはまだ知らなくていいひと、だった。











**********


グミでした
グミ、グミって分かるのか? これ……


和風パロのグミたん
おっさん臭いしゃべり方をする粋なおねーちゃんみたいなイメージで

こういう話には絶対不可欠だよね暗殺者キャラ
このグミとがくぽとカイトあたりのシリアスな絡みも書きたいし、ルカとリンとも絡ませてきゃいきゃい女の子もさせたい。妄想広がる!


あとがくぽとルカの出会い編も書きたいんだよなぁ
ルカが薔薇植えてる理由とか

ただ書くとなるとなぁ、ひどいオリジナルキャラの跋扈がなぁ
あ、いまさらか……



どんどん設定が深くなっていく和風パロですが、別に長編化とかする気は一切起こらない不思議
設定考えるの楽しいです^q^

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みくさんとアカイトさん
我が家設定にもほどがあるので、注意注意注意

かつ小話 短いです


**********





 ばきり、とかったるい音がした。




   痛みの免罪符




「(ああ、ああ)」


 手の中に残った妙な感触にみくは打ち震える。
 奇妙な喪失感と罪悪感と、それから快楽がAIに迸った。

 みくの手のひらにはぽたんと黒い外耳パーツがある。
 そしてその外耳パーツの持ち主だった赤い髪のVOCALOIDは、みくの手の中と自分の手とを見比べてぽかんと口を開いていた。背の高い彼はぺたりと床に座り込んでいて、だから立っているみくを自然と見上げる体勢になる。
 その様子が酷くみくの嗜虐心を駆り立てた。


「……あ」


 ざり、とどこかノイズの混じった音声。
 丸く見開かれた、ウサギのような真っ赤な瞳には、愉悦に顔を歪ませたみくがいる。


「み、く? それ……」

「お兄ちゃん、これちょうだい」


 愛しい兄の耳は、みくの手のひらで徐々に光を失う。
 垂れ下がったコードから、ぽたりと液体が漏れた。


「だっ、駄目に決まって、」

「お兄ちゃん」


 その液体を細い指で受け止めて、舐める。
 警告を含むダイアログが擬似的な味覚を刺激した。


「大好きだから」








  (だから、いいでしょ?)




**********

ヤンデレって定期的に書きたくなるよ ね

拍手[0回]


知り合いがVOCALOIDを買ったので、インストールに立ち会わせてもらいました
で、まぁ、なんかそんなんです

我が家設定でも何でもないけど俺設定のがくぽと、マスターと、第三者な語り部
いろいろ注意



**********



「アクティベート? なにそれおいしいの?」

「せっかく買ったのに十四日しか使わない気か」

「ん、それはイヤやなぁ」


 言いながら彼はぱたんぱたんと操作を続けていった。その後ろ姿を見守りながら、本当に大丈夫なのかこいつと私は思う。


「よ、っしできたー」

「おめでとう」


 そうして、なんだかんだと様々な紆余曲折を経て、彼のパソコンの中にVOCALOID2:がくっぽいどはインストールされたようだった。
 早速何か歌わせるのかと見守っていた私は、『……とりあえずフルチンって言わせるか』とつぶやく彼の後頭部を見て思わず溜息を吐いた。ノートパソコンの画面の中のがくっぽいども、困惑顔で自分のマスターとなった男を見上げていた。
 その間にも、彼は立ち上がったエディターに慣れない手付きでノートを書き込んでいく。
 音感も何もないベタ打ちにローマ字入力だったが、性能の良いがくっぽいどはそれだけでもそれなりに発音するのだ。私はVOCALOIDを所持していないけれど、そういう知識は割とあった。
 不安そうな碧い瞳がこちらを伺う。残念ながら私は巡音厨だ。そんな目をされても、がくっぽいどがどんな言葉を吐かされようがどうも思わない。
 だいたいこのがくっぽいどを購入したのは彼であって、私ではない。

 どうも思うはずがない。
 思ったとしても私に彼を止める権利はない。

 そう、どうも……


「『フルチン』っと」

「止めてあげて! かわいそうだから止めてあげて!」


 無理でした。


「何をそんなに必死?」

「おまえ、初めてしゃべるのが『フルチン』ってさすがに可哀想すぎる! せめて『おっぱい』ぐらいの妥協をしてやって! っていうか歌は?!」

「俺が買ったソフトなんやからどーつかおーと勝手でしょおが」

「それはそうですけど!」


 必死で彼を制止する私を見上げ、画面の中のがくっぽいどはそれでもまだ不思議そうな顔をしていた。
 なんだよ、私はおまえのハジメテを守ってやったって言うのに。


 結局がくっぽいどのハジメテは、DVD-ROMに入っていた『島唄』となり、晴れて彼は友人のソフトとなった。
 それからも私はちょくちょく彼の部屋へ遊びに行き、がくっぽいどをいじらせてもらったり、調声の様子を眺めさせてもらったりした。

 だから、彼の口から『がくっぽいどが、また遊びに来てくれっていってたよ』という言葉が飛び出したときも、そんなには不思議に思わなかった。




   あやめ






『マスターやい』

「なんじゃらほい」


 彼とがくっぽいどの会話は、いつもそんな風に始まるのだそうだ。
 がくっぽいどが彼に呼びかけ、彼が適当に返答する。そうしてがくっぽいどに呼びかけられるときは、たいがい彼が作曲に煮詰まっているときで、丁度良い息抜きのつもりで彼はその手を休めるらしい。
 その日もそうだった。


『マスターやい』

「なんぞー」


 ああ今日もか、最近調子悪いのかな、などと彼は思っていたそうだ。ほかのがくっぽいどどうなのかいざ知れず、彼の所持するがくっぽいどは彼が本当に煮詰まって、どうしようもなくなったときにしか話しかけてこない。
 作業の手を止め、デスクチェアから伸びをしつつ返答する。


『マスターは、俺をインストールするまえに一回、がくっぽいどをアンインストールしたな?』

「……は?」


 そう言った彼の顔はさぞかし間抜けだったに違いないと私は思う。
 彼自身も面食らったと、笑いながら話していた。

 確かに、今のがくっぽいどをインストールする前。不慣れのためか彼は一度エラーを起こし、がくっぽいどをアンインストールしている。
 しかしそれが今この場にいるがくっぽいどにわかるのか? 彼はとりあえず首肯し、それがどうしたと問うたらしい。


『殺意というのか、……あるんだ』

「殺意」

『たぶん、歌いもせずエディターも開けられず、起動もされずに消された、先代のがくっぽいどの』

「殺意? 俺に対しての?」

『もしかしたら俺に対してかも知れない』


 歌わせてもらっている、起動してもらっている俺に対しての。
 そうがくっぽいどは言ったそうだ。

 とにかくあるんだ、と。まるで物体がそこに存在するかのように。


「……そう、なん」

『ああ』

「がくっぽいどは、なに? 俺を殺したいの?」

『おそらく』

「でもおまえ、ソフトやん」

『その通り』

「殺せるの」

『殺せない』


 おかしな話だよな、とそう私に話した彼はへらっと笑った。
 そうしてMP3プレーヤーを取り出して、それはそうと新曲作ったから聞いてみてとかそんな事を言い出す。
 無理矢理に聞かされた曲は、武士が一途に使える主のことを想う曲。がくっぽいどのキャラクターに合わさって作られたようなその歌詞が、荒ぶるロックチューンに載っている。


「どうよ? アップしようかちょっと迷ってるんやけど」

「……いいんじゃないの」

「そっかー! タイトルはどんなんがいいとおもう? 俺そういうの考えるの苦手で」

 そう笑う彼は、今日も自身に殺意を抱くVOCALOIDを歌わせる。


「……」







    (おかしいのはあんたの頭じゃない?)




**********

おかしいのは大木の頭です
どうしてこうなった……!

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恋距離遠愛ルカカバーバージョンハードリピート曲


すごくはずかしい


**********



 午後から後輩と買い物に行く約束をしている。遅めのランチを一緒に食べませんかと言われているから、移動時間を含めてそろそろ出なくては成らないのではないのだろうか。

 携帯電話の時計を確認する。
 ふと見た送信ボックスに並んだ宛先は、それだけで苦しくなるくらいに好きな名前。






  手を伸ばしたら、届く






『電話もするし、メールもする。けど、手紙は苦手だから書かない。遠いから、会うのは難しいかも知れない。それでもいいのか』

『構うわけないじゃないの』

『無理なら、いいんだぞ。好きな人ができたら、俺を振ってくれ』

『はあ?! あなたとうとういかれたの? ちょっとこっち来なさい、踏んづけて直してあげるから』

『冗談を言ってるんじゃないんだって』

『何よ、あなた私と別れたいの? 言っておくけど、私ほどあなたが好きな女なんて居ないわよ』

『別れたいわけないだろ! でも、……』

『でももくそもないわ。じゃあ一体なんだって言うの。高々数百キロ離ればなれになる程度で情けないわね』

『……ルカにかかったら形無しだな』


 そう言っていつものようにへらっと笑った顔を胸に焼き付けて、剥がれないように心に留めた。
 その面影を抱きしめるようにして腕を抱く。


『言っておくけどね、わたしはあなたと会わなくったってあなたをずっと好きでいる自信があるわよ。あなたにはないの?』

『あるさ。あるともさ』

『だったら全然平気じゃないの。何が問題なのよ』

『ああ、そうだな、全然平気だな』



「そうよ、全然平気なんだから……」



 ばふりと力を抜いて、枕に頭を落とす。
 九十度傾いた視界が白い天井を映して、瞳を閉じれば思い浮かぶのはあの笑顔。
 お世辞にも広いとはいえない部屋はもので溢れていて、所有欲の薄い私に彼が贈ってくれたものたちも存在感を必死で主張していた。
 おすすめの本。小物入れ。私の好きなアーティストが特集されていたからとくれた音楽雑誌。服はよく分からないからとプレゼントしてくれたバレッタ。クレーンゲームで取ってくれた桃色の炊き枕。恥ずかしげに私の手に握らせたピンキーリング。下らないものからそうでないものまで。

 彼が出発する前日に一緒に選んで買ったマグカップは、彼が紺色で私がくすんだ紅色。
 彼も向こうで使っているのだろうか。



「電話だって忙しいなら要らないし、メールだって疲れてるなら送んなくたっていいのよ」


 履歴に並ぶのは、律儀なまでに毎日送られてくるメール。
(今日は晩飯茄子ドリア! だとか、実験失敗してなんかもういっそテンションあがってきた、だとか)
 不定期に、けれど必ず三日に一回はかかってくる電話。
(味玉子の作り方を教えて下さいだとか、寂しいから何かはなしてくれだとか)

 そんなに私をつなぎ止めておきたいの、なんて。
 そんなに私が浮気しないか心配なの、なんて。

 うれしすぎて冗談でも言えない。
 有り難すぎて口にも出せない。


「会いたい」


 だなんて、間違ってもいえない。


 枕元に転がった携帯電話をつついた。
 かちりと爪とプラスチックがぶつかる軽い音が、静かな部屋に響く。


「……あ、い、た、い」


 アドレス帳を呼び出して、彼の名前を表示させた。
 携帯番号を選択してコールすれば、恐らく今の時間なら五コール目にはつながるだろう。
 彼が何かを言うより早くその魔法の言葉を言ってしまえば、きっとその言葉は彼を連れてくる。走って、電車に乗って、もどかしい時間を歯噛みしながら、そうして魔法のように私の目の前に。決して嘘を吐かない彼はきっと、『今すぐ行く』と言ってやってくる。


 でも。


「……そろそろ出なきゃ」


 そう言わないのは、きっと私の意地だ。











「先輩、どうしたんですか?」


 そう首を傾げる後輩ちゃんに「ううん」と首を振る。
 そんな私の様子を見た彼女は、軽く眉を顰めて傍らの恋人の耳に口を寄せた。


「ホラ、レンくんが勝手に着いてくるから先輩怒ってんじゃん。もう帰れよレンくん」

「なっ、なんでそう言うこと言うんだよ! 先輩すみません、俺帰った方がいいですか」

「帰れよ! あたしが先輩といちゃいちゃできないじゃん!」

「おーまーえーは黙ってろって!」


 後輩ちゃんと後輩くんは、そう言ってじゃれ合う。
 仲の良い二人を見るのは嫌いではなくて、寧ろ好きなので大歓迎だった。高校生をやっていた時にも、彼と一緒に二人の喧嘩を見守っては『ほほえましいな』と笑い合っていたのを思い出す。

 そうだ、四人で遊園地へ遊びに行ったときもそうだった。

 この二人がはしゃぎ回って、私たち二人はその後ろを着いて行って、『まるきり子どもとその保護者たちみたいね』とメイコに笑われたのだ。確かにそうだとがくぽが頷くと、子供扱いされた彼らは声をそろえて『『そんな!』』と顔をしかめて、それを見て彼はますます笑って、

 彼は、



「先輩? せんぱー、い?」

「っあ、な、何かしら」

「……調子、悪いんですか?」後輩ちゃんは心配そうにこちらをのぞき込む「体調良くないなら、帰った方が……」

「そんなことないわ。全然平気よ」


 即答した私をどうおもったのか、後輩ちゃんはやはり心配そうにしながら、けれども「それなら、いいんですけど」と引き下がった。


「それじゃご飯食べにいきましょーよ」

「レンくんのおごりですねわかります!」

「違ぇよ!」

「おごれよ!」

「はいはい、割り勘ね、割り勘。平等にいきましょ」


 また下らない言い争いを始める二人を仲裁しようと間に割ってはいると、二人はぽかんと私の方を見つめてきた。
 四つ分の視線に思わずたじろぎながら、どうしたのだと問うと、後輩くんが堰を切ったように笑い出す。その隣で後輩ちゃんも同様に笑っている。おいていきぼりな私はおろおろする。


「す、みませ、……ルカ先輩、がくぽ先輩みたいで……っ!」

「絶対言いそうなこと言ったぁ、がくぽ先輩乗り移ってたぁ」

「ごめんなさ、あああでも絶対ルカ先輩そんなこと言わないと思ってたからっ」



「……先輩? え?」


















「今日ね、あなたに似てきたって言われちゃったわ」

『嘘だ、ルカが俺に似るなんてあり得ない』

「何よ、本当に言われたのよ」

『何かの間違いだろ。そいつの見る目がないんだ』

「あなた、レンくんに謝りなさいよ」

『あいつは観察眼が良くない』









『ルカ、好きな人、できたか』

「いるわよ、今電話してる」

『誰かとキスとかしたか』

「いま話してる人とならしたいわね」

『まだ、俺のこと好きでいてくれてるか』

「なんだって好きじゃなくなるとあなたは思うの」

『なあ、俺はまだおまえが好きでいいか』

「あなたが私が好きかどうかなんて関係ないわ。だってあなたは私のだもの。違うの?」

『……違わない』










「がくぽ」

『なんだ』

「会いたい、よ」

『俺だって』









     (会いに行こうか)




**********



恥ずかしいよ!死ぬ!砂糖をもってこい!


書きたいところだけ書いたらもう支離滅裂。
後輩くんのお相手の後輩ちゃんはお好きにご指定下さい。だいたい誰にでもできるようにしてある筈。レングミとかレンミクとかレンリンとか可愛いからどれもこれも好きです。

ボカロは本当の本当にどんなCPでも萌えられる優等生です。
BLだろうがGLだろうがNLだろうがどんな組み合わせでもいけるよ!いやまじで!
ぽルカがおそらく一番好きですが!

拍手[6回]


カイメイといえばカイメイ

そうじゃないといえばただの会話文




**********




「めーちゃん」

「なによ」


 カイトは手元のテキストデータに目を落としている。メイコは点いているだけの動画を惰性で見つめている。
 いつもはだいたい他の家族が居る共有フォルダ内も、珍しく今日は二人きりだった。






    call you !








「めー」

「んー」

「めいこー」

「なにー?」

「メイコちゃんー」

「……」

「先輩ー」

「はいはい」

「お姉ちゃーん」

「あー」

「メイコさん」

「なによ」

「姐さん」

「あんたはマスターかっての」

「……めーちゃん」

「はいはい、何よ」


 そちらに顔を向けると、相変わらずカイトはテキストデータをスクロールしている。
 なんとなくその肩の安定感が気になったので、そちらへ擦りより、寄りかかった。

 数瞬、その青い瞳が揺らぎメイコのほうを伺うが、またすぐにデータの方へ戻っていく。



「……カイト」

「んー?」

「かーくん」

「うん」

「カイトくん」

「うんうん」

「カイちゃん」

「っは、うはは」

「お兄さん」

「はいはい」

「弟君」

「そんな呼ばれかたは珍しいな」

「バカイト」

「ひでぇ」

「……カイト」

「なに? めーちゃん」



 二人の視線は交わらない。
 寄せ合いもたれ合った肩は揺らがない。




「「よんでみただけ」」








 やっぱり視線もあわせずくすくすと笑って、さてとメイコはそろそろやってくるであろう家族を出迎える準備を始める。




「……カイトくん、手伝いなさい」

「はいはい、わかったよメイコちゃん」








**********


カイメイいろんな呼び方

メイコがカイトを君付けで呼んでるっていうのに妙に萌えます
あとカイトがメイコを「メイコちゃん」って呼んでたりしたらそれはなんかムカつく感じが萌えます。むしろそう呼ばれていらっとしてるであろうメイコに萌えます


短いなぁ
なんか最近小話ばっかり書いてる気がします
欲望の赴くままに書きすぎだよ!

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人狼狂死曲ハードリピート作品

ぽもルカも出てこないけど心の目で見ればぽルカになります
人狼パロ?
続きませんよ


**********




 父親の帰りが遅い。

 どうにも過保護のきらいがある彼は、女だから子供だからと何かにつけもっともらしい理由を盾に、リンが狩りへ出ることを嫌った。
 彼女の頭の上でひらひらと揺れる白い布も、安寧を祈る願掛けなんだと言って置いて、その実恐らく彼女がどこへ居ても目立つようにという目印に違いないとリンは思っていた。たしかに頭部にに布を巻き、世につなぎ止めるという願掛けは確かに存在しており、それは父親のリンへの溺愛ぶりが伺えるものだったのだが、彼女自身にとってはその白い上等な布は鬱陶しいような、くすぐったいような不思議な物だった。

 それをいじりながら、リンは傍らの『母親の息子』に目を遣る。
 狩りに出たくてうずうずしていたであろう彼は先日の怪我を理由に狩りを禁止されており、消化不良な表情で地面に転がっていた。リンの視線に気づき、不機嫌そうに「なんだよ」と顔をしかめる。





  私を*る貴様の刃





 気が付いたらリンに彼という父親が居たように、レンにも彼女という母親が居たのだろう。

 産みの母親の亡いリンの記憶最初の記憶は、父親の長く伸びた髪にくるまれるようにして抱えられ、彼の寝床へと運ばれるものだ。それが父親に拾われたときの記憶なのか、それともその後の出来事を混濁して最古の物としているのかは、リンには庸として知れない。

 彼は十三年前、捨てられていたのか親に死なれたのか、一人森で泣きわめくリンを拾い上げたのだという。名付け男ながらに苦労しながら育て上げ、リンの一番心地の良い場所は今も変わらず父親の腕の中だ。
 血がつながらないことも知りながら、けれど気が付いたらリンは彼の娘だった。
 彼に名付けられ、育てられ、守られてきた。


 それはきっと、レンも同じなのだ。


 父親と旧知だったらしいレンの母親は、彼につれられるリンを一目見て、自分が拾い育てている息子の血縁者に違いないと思ったらしい。
 それほどまでにリンとレンは似ていて、確かに自分たちでもそれは否定したくない。それほどに、同一。二人が性徴を迎える前だったならば、恐らくそれぞれの親も見分けがつかなかったであろう。
 そのうちに、彼女はリンの母親となることを決意して、彼はレンの父親になることを決意した。
 それぞれを片親で育て続けるのは難しい。女には女の教育が要るし、男には男の教育が要る。今のままでは不十分でかけていて、それを満たすものがすぐそばにあるのだから、彼と彼女は躊躇しなかった。

 夫婦の契りを交わしたわけではないと本人たちは言うが、どうだかとリンとレンは肩を竦める。
 今だとて二人仲良く狩りへ出かけて、そのお互いに背中を預け合う様子と来たら。


「……遅いな」

「遅いね」


 一方、リンとレンはと言えば、同じ二人を両親に持つようになり血縁に、間違いなく双子に違いないと言われながらも、お互い兄弟という気はさらさらに無かった。リンにとって彼女は母親だが、等式でその息子であるレンが兄弟だとはどうしても思えないのだ。
 それはどうやらレンも同じで、二人はお互いにお互いの処遇をどうすればよいのかいまいち計りかねながらも、そこそこに仲良くやっていくことに決めたのだった。両親はどうやら二人がきょうだいとして親しくなることを望んでいるようだが、あって二、三月でいきなりきょうだいと言われてはいそうですかと慣れる方が可笑しい。


「手こずってるのかな」

「母さんと父さんに限ってそんなわけ、無いじゃないか」

「それもそっか……でもほら、最近流れ者がきたじゃん」

「ああ、グミねえが言ってた?」

「そう、それ。そいつらが邪魔してるのかもよ?」

「ばっか、そんなん母さんが許すわけねぇじゃん。だいたい、一人はおれらと同じ様な子供だって言ってたぜ?」

「えっ、そうなの?」

「うん。だからどっちかってと、手助けしてやってるほうなんじゃないかなぁ」

「そっかぁ」


 そう言うレンの顔は少しだけ苦い形をしている。
 誰かを助けるのは美徳だが、生きていく上では美徳は重たい。

 リンの父親もレンの母親も、そういう意味では生きにくい性格をしていた。
 しかし、それは彼らの一番よいところで、ならば私たちがそれを補って行けばいいと、リンとレンは誓い合ったばかりだった。











「リンちゃんっ! レンくんっ!」




「おっ、噂をすれば。グミねえどうしたの」


 息を切らして駆け込んできた父親の妹に、身をもたげてリンは手を差し伸べる。
 それを取った彼女は、大きく息を一つ吐いて、勢い込んで二人をみた。軽やかに朗らかな性格の彼女が、それまで浮かべたこともなかったような表情に、リンとレンは面食らう。


「どうしたの……?」







「ルカねえさんがっ!!」










**********


別に続きませんが、あのなんというか、狂死曲を効いてるときのたぎりようっていうのはなんかもうすごいですよね
一家全員の遠吠えですよあれもう

いや、別に親子じゃなくても部下とかでもいいかもしれないのですが、個人的に義親子っていう関係が大好きなので、そんな感じに


欲望の赴くままに書いたらもうなんだこれ

拍手[2回]


ぽルカで小話


短いよ!


**********




「巡音」

「なんですか」


「……あの、何というか、顔が怖いんだが」



 楽譜を片手に、僅かに顔をひきつらせながらがくぽは言った。






  きみにラブソングを






「……そんなことは有りません」

「えええ」

「全然全くちっともそんなことはありません。笑顔です」

「そこまで盛大な嘘久しぶりに聞いたぞ」


 涼やかに言い放つルカと手の中にある楽譜とを矯めつ眇めつ、眉を寄せてがくぽは溜息を吐いた。
 珍しく苦々しい形に寄せられたその眉根を見て、ルカは自分の手の中にもあるその楽譜に目を落とす。

『がくぽくんとデュエットすることになりましたから』と言われ、マスターから手渡しされた楽譜はどうやら二人のマスターのコラボ作となっているらしい。流れるような可愛らしいメロディラインに、妙にドスの効いた歌詞が連なっている。マスターの幻想狂気への飽くなき探求は一体何なのだろうか。むしろあの人まともな曲が作れないだけなんじゃないのかなどと想いながらルカはその歌詞をたどる。
 随所で若干物騒な言葉が見て取れるが、それらは確かに愛の言葉。
 ラブソングだ。


「……」


 ルカはどんな曲だろうとあくまで仕事は仕事、と割り切るよう心がけている。
 知ってのとおり、彼女のマスターは血しぶきの飛ばない歌詞を書くほうが珍しいような人間だし、多少の折り合いを持たなければ遣っていけない。
 だから、それが例え好意的に想っているがくぽを相手に取ったラブソングだからといって、恥ずかしいだとか照れくさいだとか、そんなことはない。

 決して無い。

 断じて、








「そんなことはありません!」




「……そ、そうか」





 絶対に、ないといったら無いのだ。







**********

だから短いって!



我が家の連作ボカロ家族のルカさんは一体全体何デレなんだろうかと小一時間問いつめたい
クーデレとかのつもりで書いてたんですけど クールどこ行ったし







ドSなルカ様とそれに踏まれる跳ね返りがくぽとか書いてみたいですが一体全体どこに需要があるのかしら
というかどれだけ想像しても十八禁にしかならない。
駄目だどんなにソフトにしてもルカ様ががくぽを監禁しやがる! 飛んだ誘拐だよ! ラブラブのかけらもねぇな!




後最近書きたいのが(鏡音双子)×(ルカ+がくぽ)
あくまで後ろ二人はプラス

こうリリースされたばかりでまだ精神的には子供の二人に、だいぶ成熟して精神的には大人な鏡音がそれぞれ何か劣情的な物を抱いてる感じ。劣情ってもうちょっと言いかたなかったのか私
基本はリンぽとレンルカだけど、ちょっとした拍子で百合にも薔薇にも走りかねない

そんでもってぽルカはふつうに仲良しだといいよ!なんにも知らず二人仲良くおうたうたってる所見て鏡音の二人がハート打ち抜かれてたらいいよ!
この場合カイメイミクは「あの四人は癒し系だねぇ」「そうだねぇ」って鏡音ズの劣情も知らずに和んでいたらいいよ!だから劣情ってもうちょっとなんか無いのか!
しかしどこまで語ってんだ私気持ち悪いな!


最近もうルカもがくぽも好きすぎてどっちかが画面にいたら割と幸せです
幸せやっすい!激安い!

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"大木 梯子" WROTE ALL ARTICLES.
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