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人狼狂死曲ハードリピート作品
ぽもルカも出てこないけど心の目で見ればぽルカになります
人狼パロ?
続きませんよ
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父親の帰りが遅い。
どうにも過保護のきらいがある彼は、女だから子供だからと何かにつけもっともらしい理由を盾に、リンが狩りへ出ることを嫌った。
彼女の頭の上でひらひらと揺れる白い布も、安寧を祈る願掛けなんだと言って置いて、その実恐らく彼女がどこへ居ても目立つようにという目印に違いないとリンは思っていた。たしかに頭部にに布を巻き、世につなぎ止めるという願掛けは確かに存在しており、それは父親のリンへの溺愛ぶりが伺えるものだったのだが、彼女自身にとってはその白い上等な布は鬱陶しいような、くすぐったいような不思議な物だった。
それをいじりながら、リンは傍らの『母親の息子』に目を遣る。
狩りに出たくてうずうずしていたであろう彼は先日の怪我を理由に狩りを禁止されており、消化不良な表情で地面に転がっていた。リンの視線に気づき、不機嫌そうに「なんだよ」と顔をしかめる。
私を*る貴様の刃
気が付いたらリンに彼という父親が居たように、レンにも彼女という母親が居たのだろう。
産みの母親の亡いリンの記憶最初の記憶は、父親の長く伸びた髪にくるまれるようにして抱えられ、彼の寝床へと運ばれるものだ。それが父親に拾われたときの記憶なのか、それともその後の出来事を混濁して最古の物としているのかは、リンには庸として知れない。
彼は十三年前、捨てられていたのか親に死なれたのか、一人森で泣きわめくリンを拾い上げたのだという。名付け男ながらに苦労しながら育て上げ、リンの一番心地の良い場所は今も変わらず父親の腕の中だ。
血がつながらないことも知りながら、けれど気が付いたらリンは彼の娘だった。
彼に名付けられ、育てられ、守られてきた。
それはきっと、レンも同じなのだ。
父親と旧知だったらしいレンの母親は、彼につれられるリンを一目見て、自分が拾い育てている息子の血縁者に違いないと思ったらしい。
それほどまでにリンとレンは似ていて、確かに自分たちでもそれは否定したくない。それほどに、同一。二人が性徴を迎える前だったならば、恐らくそれぞれの親も見分けがつかなかったであろう。
そのうちに、彼女はリンの母親となることを決意して、彼はレンの父親になることを決意した。
それぞれを片親で育て続けるのは難しい。女には女の教育が要るし、男には男の教育が要る。今のままでは不十分でかけていて、それを満たすものがすぐそばにあるのだから、彼と彼女は躊躇しなかった。
夫婦の契りを交わしたわけではないと本人たちは言うが、どうだかとリンとレンは肩を竦める。
今だとて二人仲良く狩りへ出かけて、そのお互いに背中を預け合う様子と来たら。
「……遅いな」
「遅いね」
一方、リンとレンはと言えば、同じ二人を両親に持つようになり血縁に、間違いなく双子に違いないと言われながらも、お互い兄弟という気はさらさらに無かった。リンにとって彼女は母親だが、等式でその息子であるレンが兄弟だとはどうしても思えないのだ。
それはどうやらレンも同じで、二人はお互いにお互いの処遇をどうすればよいのかいまいち計りかねながらも、そこそこに仲良くやっていくことに決めたのだった。両親はどうやら二人がきょうだいとして親しくなることを望んでいるようだが、あって二、三月でいきなりきょうだいと言われてはいそうですかと慣れる方が可笑しい。
「手こずってるのかな」
「母さんと父さんに限ってそんなわけ、無いじゃないか」
「それもそっか……でもほら、最近流れ者がきたじゃん」
「ああ、グミねえが言ってた?」
「そう、それ。そいつらが邪魔してるのかもよ?」
「ばっか、そんなん母さんが許すわけねぇじゃん。だいたい、一人はおれらと同じ様な子供だって言ってたぜ?」
「えっ、そうなの?」
「うん。だからどっちかってと、手助けしてやってるほうなんじゃないかなぁ」
「そっかぁ」
そう言うレンの顔は少しだけ苦い形をしている。
誰かを助けるのは美徳だが、生きていく上では美徳は重たい。
リンの父親もレンの母親も、そういう意味では生きにくい性格をしていた。
しかし、それは彼らの一番よいところで、ならば私たちがそれを補って行けばいいと、リンとレンは誓い合ったばかりだった。
「リンちゃんっ! レンくんっ!」
「おっ、噂をすれば。グミねえどうしたの」
息を切らして駆け込んできた父親の妹に、身をもたげてリンは手を差し伸べる。
それを取った彼女は、大きく息を一つ吐いて、勢い込んで二人をみた。軽やかに朗らかな性格の彼女が、それまで浮かべたこともなかったような表情に、リンとレンは面食らう。
「どうしたの……?」
「ルカねえさんがっ!!」
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別に続きませんが、あのなんというか、狂死曲を効いてるときのたぎりようっていうのはなんかもうすごいですよね
一家全員の遠吠えですよあれもう
いや、別に親子じゃなくても部下とかでもいいかもしれないのですが、個人的に義親子っていう関係が大好きなので、そんな感じに
欲望の赴くままに書いたらもうなんだこれ
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