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恋距離遠愛ルカカバーバージョンハードリピート曲
すごくはずかしい
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午後から後輩と買い物に行く約束をしている。遅めのランチを一緒に食べませんかと言われているから、移動時間を含めてそろそろ出なくては成らないのではないのだろうか。
携帯電話の時計を確認する。
ふと見た送信ボックスに並んだ宛先は、それだけで苦しくなるくらいに好きな名前。
手を伸ばしたら、届く
『電話もするし、メールもする。けど、手紙は苦手だから書かない。遠いから、会うのは難しいかも知れない。それでもいいのか』
『構うわけないじゃないの』
『無理なら、いいんだぞ。好きな人ができたら、俺を振ってくれ』
『はあ?! あなたとうとういかれたの? ちょっとこっち来なさい、踏んづけて直してあげるから』
『冗談を言ってるんじゃないんだって』
『何よ、あなた私と別れたいの? 言っておくけど、私ほどあなたが好きな女なんて居ないわよ』
『別れたいわけないだろ! でも、……』
『でももくそもないわ。じゃあ一体なんだって言うの。高々数百キロ離ればなれになる程度で情けないわね』
『……ルカにかかったら形無しだな』
そう言っていつものようにへらっと笑った顔を胸に焼き付けて、剥がれないように心に留めた。
その面影を抱きしめるようにして腕を抱く。
『言っておくけどね、わたしはあなたと会わなくったってあなたをずっと好きでいる自信があるわよ。あなたにはないの?』
『あるさ。あるともさ』
『だったら全然平気じゃないの。何が問題なのよ』
『ああ、そうだな、全然平気だな』
「そうよ、全然平気なんだから……」
ばふりと力を抜いて、枕に頭を落とす。
九十度傾いた視界が白い天井を映して、瞳を閉じれば思い浮かぶのはあの笑顔。
お世辞にも広いとはいえない部屋はもので溢れていて、所有欲の薄い私に彼が贈ってくれたものたちも存在感を必死で主張していた。
おすすめの本。小物入れ。私の好きなアーティストが特集されていたからとくれた音楽雑誌。服はよく分からないからとプレゼントしてくれたバレッタ。クレーンゲームで取ってくれた桃色の炊き枕。恥ずかしげに私の手に握らせたピンキーリング。下らないものからそうでないものまで。
彼が出発する前日に一緒に選んで買ったマグカップは、彼が紺色で私がくすんだ紅色。
彼も向こうで使っているのだろうか。
「電話だって忙しいなら要らないし、メールだって疲れてるなら送んなくたっていいのよ」
履歴に並ぶのは、律儀なまでに毎日送られてくるメール。
(今日は晩飯茄子ドリア! だとか、実験失敗してなんかもういっそテンションあがってきた、だとか)
不定期に、けれど必ず三日に一回はかかってくる電話。
(味玉子の作り方を教えて下さいだとか、寂しいから何かはなしてくれだとか)
そんなに私をつなぎ止めておきたいの、なんて。
そんなに私が浮気しないか心配なの、なんて。
うれしすぎて冗談でも言えない。
有り難すぎて口にも出せない。
「会いたい」
だなんて、間違ってもいえない。
枕元に転がった携帯電話をつついた。
かちりと爪とプラスチックがぶつかる軽い音が、静かな部屋に響く。
「……あ、い、た、い」
アドレス帳を呼び出して、彼の名前を表示させた。
携帯番号を選択してコールすれば、恐らく今の時間なら五コール目にはつながるだろう。
彼が何かを言うより早くその魔法の言葉を言ってしまえば、きっとその言葉は彼を連れてくる。走って、電車に乗って、もどかしい時間を歯噛みしながら、そうして魔法のように私の目の前に。決して嘘を吐かない彼はきっと、『今すぐ行く』と言ってやってくる。
でも。
「……そろそろ出なきゃ」
そう言わないのは、きっと私の意地だ。
「先輩、どうしたんですか?」
そう首を傾げる後輩ちゃんに「ううん」と首を振る。
そんな私の様子を見た彼女は、軽く眉を顰めて傍らの恋人の耳に口を寄せた。
「ホラ、レンくんが勝手に着いてくるから先輩怒ってんじゃん。もう帰れよレンくん」
「なっ、なんでそう言うこと言うんだよ! 先輩すみません、俺帰った方がいいですか」
「帰れよ! あたしが先輩といちゃいちゃできないじゃん!」
「おーまーえーは黙ってろって!」
後輩ちゃんと後輩くんは、そう言ってじゃれ合う。
仲の良い二人を見るのは嫌いではなくて、寧ろ好きなので大歓迎だった。高校生をやっていた時にも、彼と一緒に二人の喧嘩を見守っては『ほほえましいな』と笑い合っていたのを思い出す。
そうだ、四人で遊園地へ遊びに行ったときもそうだった。
この二人がはしゃぎ回って、私たち二人はその後ろを着いて行って、『まるきり子どもとその保護者たちみたいね』とメイコに笑われたのだ。確かにそうだとがくぽが頷くと、子供扱いされた彼らは声をそろえて『『そんな!』』と顔をしかめて、それを見て彼はますます笑って、
彼は、
「先輩? せんぱー、い?」
「っあ、な、何かしら」
「……調子、悪いんですか?」後輩ちゃんは心配そうにこちらをのぞき込む「体調良くないなら、帰った方が……」
「そんなことないわ。全然平気よ」
即答した私をどうおもったのか、後輩ちゃんはやはり心配そうにしながら、けれども「それなら、いいんですけど」と引き下がった。
「それじゃご飯食べにいきましょーよ」
「レンくんのおごりですねわかります!」
「違ぇよ!」
「おごれよ!」
「はいはい、割り勘ね、割り勘。平等にいきましょ」
また下らない言い争いを始める二人を仲裁しようと間に割ってはいると、二人はぽかんと私の方を見つめてきた。
四つ分の視線に思わずたじろぎながら、どうしたのだと問うと、後輩くんが堰を切ったように笑い出す。その隣で後輩ちゃんも同様に笑っている。おいていきぼりな私はおろおろする。
「す、みませ、……ルカ先輩、がくぽ先輩みたいで……っ!」
「絶対言いそうなこと言ったぁ、がくぽ先輩乗り移ってたぁ」
「ごめんなさ、あああでも絶対ルカ先輩そんなこと言わないと思ってたからっ」
「……先輩? え?」
「今日ね、あなたに似てきたって言われちゃったわ」
『嘘だ、ルカが俺に似るなんてあり得ない』
「何よ、本当に言われたのよ」
『何かの間違いだろ。そいつの見る目がないんだ』
「あなた、レンくんに謝りなさいよ」
『あいつは観察眼が良くない』
『ルカ、好きな人、できたか』
「いるわよ、今電話してる」
『誰かとキスとかしたか』
「いま話してる人とならしたいわね」
『まだ、俺のこと好きでいてくれてるか』
「なんだって好きじゃなくなるとあなたは思うの」
『なあ、俺はまだおまえが好きでいいか』
「あなたが私が好きかどうかなんて関係ないわ。だってあなたは私のだもの。違うの?」
『……違わない』
「がくぽ」
『なんだ』
「会いたい、よ」
『俺だって』
(会いに行こうか)
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恥ずかしいよ!死ぬ!砂糖をもってこい!
書きたいところだけ書いたらもう支離滅裂。
後輩くんのお相手の後輩ちゃんはお好きにご指定下さい。だいたい誰にでもできるようにしてある筈。レングミとかレンミクとかレンリンとか可愛いからどれもこれも好きです。
ボカロは本当の本当にどんなCPでも萌えられる優等生です。
BLだろうがGLだろうがNLだろうがどんな組み合わせでもいけるよ!いやまじで!
ぽルカがおそらく一番好きですが!
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