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ぼーかろいどのSSとかを書いてたりするよ
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やたらあっまい



**********




 ディスプレイから見えるのは、無感情に紙面へ目を落とす横顔。
 時々隠す気もないような欠伸を洩らしては、悪びれもせずに私の方へ笑ってみせる。


 不意に脳核が焼け付くような感覚を覚えた。


 エラー、エラー。
 警告音は鳴らない。





  ひっぱりビラブト




「マスタ」

「何だね初音くん」

「マスタ」

「……呼んでみただけっ♪ うふふっ♪ という奴か?」

「マスタ、怒りますよ」

「君はいつからそんなに冷静に対応するようになったんだい……買ったばかりの頃はまだ普通の十六歳JKと言わんばかりだったのに……うちの部下のようだ」



 嘆かわしいねまったくとマスターは首を振る。
「マスタ、部下の方にもそんな態度なんですか」と問いただしたかったが、面倒なので止めた。



「マスタ、マスタ、聞きたいことがあるんです」

「ふむ、なんだい。言ってごらん!」

「……マスタにとって、私はどんな存在ですか。ただの歌うアプリケイションですか」



 私の言葉に胸を張り、尊大な態度で両手を広げる。
 後ろ暗いところなど何一つ無いような様子と、つり上がった口角が、どこまでもこの人らしい。



「何を聞くのかと思ったら、そんなことかい、我が愛娘」

「……マスタは、私がただのソフトウェアだと、理解していますか?」

「当たり前だろう! 君がアプリだソフトだという程度で、……私の愛の包容力を嘗めているんではないかね初音くん。『そんなことは関係ないね!』」



 書類がデスクに落とされ、私の覗いているデスクトップに指が延びてきた。柔らかな曲線をなぞる。
 おそらくその指は私の頬を撫でているつもりなのだろう。
 平面に変換されたその向こうに触れるなど不可能と、解っているはずの愚かしさを恥じる様子も無くマスターは笑っていた。



「私は君のその声に惚れ込んだのだよ。今じゃ自慢の娘だ」

「……髪が長かったからじゃないんですか」

「それは一要因だよ。まぁ、背中を押す最後の材料ではあったがね」



 ああ、この人はいつも。
 いつもいつもこうで、この調子で。

 私の言いたいことをすべてかっ浚っていってしまう。

 だから今日は負けない。
 言ってやるのだ。



「……娘、ですか」

「うん? そこに食いつくか」

「お父さんなんて、私は絶対に呼びませんから、マスタ」




「ええっ! なんでだい?!」






 絶対に呼んでたまるものか!









**********

恋人に格上げ希望




こんなしゃべり方ですがミクさんマスターは三十路前です。二十代後半くらい。
ミクのことを溺愛するあまりなんかもう親父気分。いつか『おまえなんぞに娘をやれるか!』をやりたい。

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