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カイメイとはいいものです
ぽルカもいいものです
総じて、大人組とはいいものです
子供たちも大好きだがな!
**********
間抜けな歌声がリビングに響く。
ダーリンダーリン!
「ねっえだーりん♪」
「……」
「こっちむーいて♪」
「……兄者」
「んだよう、何でおまえがこっち向くんだよ。おまえは俺のダーリンかコラ」
「兄者、戻ってこい。現実に戻ってこい」
「ハニーって呼べよ。ダーリンなんだろええコラ。給料三ヶ月分のリングしか受け付けないぞ」
「兄者、キャラが可笑しい……というか俺たちは給料とか貰ってないぞ」
「なんだと?! 雇用の改善を申し立てーる!」
「まず雇用されていないが」
カイトと爛れた会話をしながらも、がくぽの両手はてきぱきと動く。
会津家に購入され叩き込まれた同人アシスタントテクニック保持者の悲しい性だったが、そんな事はあんまり知らないメイコの目にはなんか凄く手際いいなぁという風に映っていた。
台所には芳しいチキンライスの匂いが漂っている。
「チキンライスって若干鳥南蛮と匂い似てるよね」
「そうだな」
がくぽはなんかもう訂正する気にもならないらしい。
椅子に逆向きに座りぐったりとするカイトを見もしない背中を見ながら、メイコはううむうちにも料理手がほしいと考えていた。
彼女のマスターは一人暮らしの学生らしく適当に料理をするにはするがやはりお粗末感は拭えないし、メイコには基本居酒屋のつまみ的レパートリーしかない。同居するグミに至ってはニンジン関連の料理しか作らないし作ろうとする気も感じられない。
すると、人同様食物でもエネルギーを充填できる彼らの食卓は、近所のスーパーでニンジンが大売り出しをしてグミが腕を捲ったりでもしない限り、所謂インスタントと呼ばれる物が主食になるのだ。グミや自分はともかく、マスターに対してそれは非常に良くない。若いとは言え、栄養が偏れば健康も偏ってしまう。
しかし自分が目の前の彼らのように料理をマスターするのは、なんか負けみたいな気がする。
主に、ボーカロイドとしての尊厳的な意味で。
「兄者、塩どこだ」
「はぁ? 普通にその辺にあるでしょ、ほら」
「いや、この前買った岩塩のあれは」
「あーはいはいあれね。いれるの? そっちの棚の奥だけど。えっと、マヨネーズの買い置きの隣」
「む、ちょっとフライパン見といてくれ。もう一品なんか作る」
「はいよー。味付けもしとくよー」
カイトがのそのそとダイニングに入っていくのをソファから眺めていると、ふいに手招きをされる。
片手に携えていた鬼ころしの紙パックを机に戻し立ち上がると、木ベラにのったままのチキンライスを差し出された。
「めーちゃん、味見する?」
がこがことフライパンを揺すりながら、カイトはへなりと笑う。
ほかほかと湯気を立て、良い匂いをたてるそれにつられメイコが思わず頷くと、「あーん」と差し出された。こいつはこういう事を平気でするよなぁといっそ感心しながらメイコもそれに応え、口を開く。
「んー」
「どう?」
「ちょっと薄いわね」
「そっか。でも今から塩入れるんだしなー……ガラムマサラでも入れよっか」
がさがさと片手で棚を漁り、小瓶を取り出す。
がくぽと同等かそれ以上に良い手際で味付けをすませ、流れるような手つきで自らも味見。
ううん、やっぱり料理は覚えたら負けな気がする、とメイコはそれを見守った。
「……あんたさ」
「んー? どしたのめーちゃん」
「うちに嫁ぎに来ない?」
「……」
「……」
「……えっ」
「姐さん何いっちゃってんの?!」
「よぉしカイトなら持ってってもいいぞ倭文! 俺は愛宕からルカちゃんをいただく!」
「何言ってるんですか先輩の所なんかにルカは嫁がせられません。がくぽくんを婿に下さい」
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どういう状況なんだろう。
我が家の姉さんはなんとなく言葉足らずな感じ。
頭では色々考えてるのに面倒くさいとかそんなんで殆ど口に出さない。
後ジュースのように紙パック酒を飲む
メイコとグミのマスターは学生さん。一番普通っぽい設定。
マスターズの設定ってさぁ…需要、あるのかなぁ…
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